前記事の続きを書くつもりは、全くなかったのですが……
【第3話 ストーリー】(番組サイトより)
壊れたクマのぬいぐるみ型ロボット・ポッポを修理した須堂。持ち主の少年は大喜びだが、母親はポッポに強く感情移入する息子を心配していた。
時を同じくして、ある女性が恋人ロボットのジョーに別れ話を切り出していた。人間の恋人ができて、ジョーとの生活を続けられなくなったのだ。人の心を癒すために作られたポッポとジョー。
2体のロボットの運命が邂逅する。
今回登場する「クマのぬいぐるみ型ロボット・ポッポ」と「恋人ロボット・ジョー」は共に“産業ロボット”で“ヒューマノイド”ではない。
使用者(人間)と会話はするが、それは、ロボットが感情を以て発するわけではなく、プログラムによって答えているだけのものであった。
心は存在せず、いわゆる”道具”として存在し、用が終われば、メモリなどはリセットされたり、激しい破損が生じた場合は“廃棄”される。
ジョーは女性を慰めたり元気づけたりするようにプログラミングされており、嫌な顔はせず、食事の準備や家事などもしてくれる。当然、美形。
人間の男性より、遥かに心地よい存在のジョー。恋人ができても、ジョーとの生活(7~8年)を経た後だと、うまくいくとは思えないと余計な心配。
それでも、恋人ができた女性は、リース契約を解除した。
リース契約終了によって、リセットされてしまうジョーに後ろめたさのような感情を抱いたが、ジョーは「産業ロボットなら当然の処置なので、何も気にする必要はない」と諭すように語る。
ポッポは愛らしく、ペットのようにも見える。
子ども相手の愛玩ぬいぐるみなので、高度な思考や会話はできないが、使用者(飼い主)と「いつも一緒にいるよ」と約束をしていた。
父親がいないので、寂しさを感じないようにと母親が買い与えたのだったが、あまりのべったり感に、母親はポッポに依存し過ぎではないか(と私は余計な心配)。息子が自分よりポッポを第一に思うので、ヤキモチもあるようだ。
ポッポのメモリーに異常があり、主人公・須堂光が直すことになった(「本来の仕事ではない」と思いながら)
ポッポは、無事治ったのだが、前の使用者の時のメモリーも復活させてしまったようで、少年の「ずっと一緒」という言葉がきっかけとなり、「ユキちゃんはどこ?」とユキちゃんを探すようになった。
【ここからは、アニメでの実際の会話(青字部分)】
「ポッポに心はある?」と少年の問いかけに、主人公・須堂(主にヒューマノイドを治療)は
「脳の秘密はずいぶん解明されたけれど、《心が何か》というのは、解釈がいろいろある。そもそも、心なんて誰にもないかもしれない」と。
メモリ内にある20年以上前のデータに残っていた前の持ち主の記憶のようだ
古いデータ(ユキに関するデータ)を消せば、元通りになるが、少年は「ユキとの思い出を消したら、ポッポは悲しいだろう」とそのままにすることにした。
母親が、息子はポッポに依存し過ぎと考え、ポッポをレンタル会社に引き取らせることにした。そのことを知った少年はポッポを連れて家出。
そこで、ジョーと女性・シズカが別れるところに遭遇。
「今日一日楽しかったよ。最後の思い出をありがとう」
「想い出?」
「うん、記念になった」
「もうすぐ忘れるのに?」と言う問い,にっこり微笑む。
「それじゃあ、お別れだ」
「さようなら、ジョーくん」
「当社のサービスをご利用いただき、ありがとうございました。
本日を以って、レンタルロボット・ジョーとの契約を終了させていただきます。
きみとのデータは、本社のサーバーに5年間保管されている。
もし、恋人とうまくいかなくなったら、復活の呪文をどうぞ」
「5年経ったら、どうなるの?」
「どんな想い出も、いつかは消えるんだよ」
彼女が去っていくのを見送るジョーに少年が
「あの……悲しくないの?」
(少し間をおいて)
「僕の振る舞いのすべては、予めプログラムされているんだ」
「学校で習った……《昔はヒューマノイドも機械だ》って考えられていたと。
でも、今は違う…だから(ロボットも機械ではない)」
「僕たちロボットは人間のために作られた商品だ。
《ロボットとヒューマノイドは違う》…それを忘れてはいけないよ」(微笑みながら語る)
「でも、さっきのお姉さんは泣いてたじゃないか。
歯ブラシを捨てる時に泣く人なんかいない。
だから、おにいさんにも…ロボットにも心がある……そうに決まっている」
「そうだね、彼女の中のぼくには心があったのかもしれない」
(ポッポに向かって)
「きみは誰?」
「ぼく、ポッポ」
「こんにちは、ポッポ。君のクライアントはいい人だね」
「うん、けんちゃん、すごく優しいよ。ポッポはケンちゃん大好きだよ」
レンタル会社の車の中で、機密保持契約に基づき、メモリをリセットされるジョー。
データ(記憶)のバックアップは録られるが、ロボット本体はデータをリセットされる。
だから、先の会話での「いい想い出になった」というのは、プログラミングによる“おざなりの言葉”と考えられる。
ジョーと別れた後、道端の階段に座り込む少年
「けんちゃん、おうち帰ろう」
「それって、僕を心配しているの?それとも、プログラムで言っているの?」
夕闇が進んでも座り込んだままの少年
「けんちゃん、けんちゃん……(少年が寝入ってしまったのに気がつき)けんちゃん、風邪ひいちゃう」
「誰かいますか?誰か気づいて、
誰か、けんちゃんを。だれか、だれか…」
皆、ポッポに気づかず通り過ぎる。
その一人が、ポッポにぶつかり、その衝撃で、ポッポは階段から転げ落ちる。
そこへ通りかかった車がポッポを轢いてしまう。
無残な姿になったポッポにようやく気付き、泣き叫ぶ少年……
両親が少年とポッポを引き取り、母親がようやく寝かしつけ、ボロボロのポッポを抱いて、夫のところに戻ったとき
「けん…ち…ゃん、かぜひいちゃう……だれか……気づいて、…だ…れ…か………」
「ポッポが自分を犠牲にして、車を止めたと考えてる?…考えすぎだと思うよ」
「そうよね…うん、そうに決まっている」
少年と母親とぽっぽで、ユキに対面(お墓の遺影)
「ポッポ、ユキちゃんだよ。ポッポはユキちゃんと仲が良かった?」
「うん、いつも一緒だったけど、突然会えなくなった。
ママもパパも、ユキちゃんがどこにいるか教えてくれなかった。
でも、ぼく、いつもユキちゃんに会いたかった。《ずっと一緒だ》って約束したから。
ユキちゃん、やっと会えたね」
涙を流す母親
「ロボットに心なんてない…か?」(←母親)
「本当にそう思う?」(←少年)
「わからない……ママもわかんなくなっちゃった」
「けんちゃん、これは海?」(←ポッポ)
「そうだよ」
「ぼく、海を見るの初めて……きれいだね」
シズカ(ジョーの元クライアント)が須堂のもとを訪れていた
「気がついたら、ジョーくんのことばかり考えていて」
「正直、医療の出番じゃないですよね。今の恋人と別れて、その復活の呪文とかいうサービスを使ったらどうです?」
「でも、ジョーくんの気持ちは?」
「ロボットはあなたのことを責めたりしませんよ。そいうふうにできてますから」
「だからって、わたし、そんな簡単に…。ジョーくんにどんな顔して会えば…」
「先生は、”ロボットに心はある”派じゃなかったんですか?」(←看護師・リサ)
「誰がそんなこと言った?」
「えっ?…でも…」
「俺は俺にしかできない治療がしたい…それだけだよ」
…………結局
「この度は、当社のサービスをご利用いただき、ありがとうございました。レンタルロボットのジョーです」
「よ、よろしくね」
↑
【訂正】
ジョーを利用したのは、シズカではなく、別の女性でした。
ポッポは泣かせるなあ
自分がボロボロになっても少年のことを心配する……
前の使用者のユキちゃんとの“ずっと一緒”の約束を果たそうとする……
ポッポを毛嫌いしていた母親も、《ロボットには心がない》と言い切れなくなってしまった。
《テディベアの姿》、《簡単でストレートな言葉しか発しない》……それがことさら、心を持っているように感じさせるのかもしれない。
しかし、上述の少年を心配する様子、ユキちゃんとの約束を果たそうとする姿は、心があると思えてしまう。
ポッポは20年以上も旧型であるにもかかわらず、恋人の要求に応じるよう精密に作られているはずの恋人ロボットよりも、心の存在を感じさせる。
もっとも、“恋人ロボット”は下手をすると、使用者がトチ狂ってしまう恐れがあるので、より事務的な対応をするようにプログラミングされているのだろう。
それに、人間の感情にあまり近づけてしまうのは、ロボットにとっても危険である。
逆に、テディベアタイプの愛玩ロボットなので、より人間に寄り添うように作られたのかもしれない。更に、20年前は、ロボットと人間の線引きが緩やかで、疑似感情に近づけたのかもしれない。
もっと深読みすると、ジョーも本当は心のようなものがあるのかもしれないが、プログラミングで事務的な会話しかできないようになっているかもしれない。(使用者の依存を軽くするため、“捨てる”という罪悪感を軽減させるため)
それはさておき、ジョーが言った「彼女の中のぼくには心があったのかもしれない」は、ある意味、真理である。
人間に対する人物像も、勝手に自分がその人に対して思っているものと、実際の性格(人格)はかけ離れていることも多い。例え、夫婦であっても(←私が“仮面夫婦”と言う訳では決してありません)
初めて海を見て「きれいだね」と言うポッポ。
それが、「海を見たら→”きれいだね”と言う」プログラミングではなく、《海を見て、美しいと思った》からだと思いたい。
【追記1】
ジョーが少年に言った言葉「彼女の中のぼくには心があったのかもしれない」
これ、プログラムによる言葉だとしたら、このプログラマーのセンス、素晴らしすぎる!
【追記2】
今話、シズカ(ジョーの使用者)が「私は悪くない」ジョーと思われる男性を地中に埋めているシーンから始まった。
そのシーンの後、うなされていたシズカが目を覚まし、隣にジョーがいて心配するシーンになった。
ジョーがいたのだから、過去の出来事ではないと思われる。
となると、《リース契約終了に怒ったジョーが暴走し、シズカに危害を加えようとして、抵抗したシズカに逆に破壊されてしまった》という予知夢的なものかと思ったが、
単に、契約終了(ジョーを捨てる)ということに、罪悪感を感じ、それが夢となって具現化?した……というだけのようだった。
……この夢、要らないよね。
参照:「第1話・第2話」、「第3話」、「訂正1・第3話について」、「第4話」、「訂正2・タイトルについて」、「第5話」、「第6話」、「第7話」、「第8話」、「第9話」、「第10話」、「第10話・追記」、「第11話」、「第12話(最終話)」
【第3話 ストーリー】(番組サイトより)
壊れたクマのぬいぐるみ型ロボット・ポッポを修理した須堂。持ち主の少年は大喜びだが、母親はポッポに強く感情移入する息子を心配していた。
時を同じくして、ある女性が恋人ロボットのジョーに別れ話を切り出していた。人間の恋人ができて、ジョーとの生活を続けられなくなったのだ。人の心を癒すために作られたポッポとジョー。
2体のロボットの運命が邂逅する。
今回登場する「クマのぬいぐるみ型ロボット・ポッポ」と「恋人ロボット・ジョー」は共に“産業ロボット”で“ヒューマノイド”ではない。
使用者(人間)と会話はするが、それは、ロボットが感情を以て発するわけではなく、プログラムによって答えているだけのものであった。
心は存在せず、いわゆる”道具”として存在し、用が終われば、メモリなどはリセットされたり、激しい破損が生じた場合は“廃棄”される。
ジョーは女性を慰めたり元気づけたりするようにプログラミングされており、嫌な顔はせず、食事の準備や家事などもしてくれる。当然、美形。
人間の男性より、遥かに心地よい存在のジョー。恋人ができても、ジョーとの生活(7~8年)を経た後だと、うまくいくとは思えないと余計な心配。
それでも、恋人ができた女性は、リース契約を解除した。
リース契約終了によって、リセットされてしまうジョーに後ろめたさのような感情を抱いたが、ジョーは「産業ロボットなら当然の処置なので、何も気にする必要はない」と諭すように語る。
ポッポは愛らしく、ペットのようにも見える。
子ども相手の愛玩ぬいぐるみなので、高度な思考や会話はできないが、使用者(飼い主)と「いつも一緒にいるよ」と約束をしていた。
父親がいないので、寂しさを感じないようにと母親が買い与えたのだったが、あまりのべったり感に、母親はポッポに依存し過ぎではないか(と私は余計な心配)。息子が自分よりポッポを第一に思うので、ヤキモチもあるようだ。
ポッポのメモリーに異常があり、主人公・須堂光が直すことになった(「本来の仕事ではない」と思いながら)
ポッポは、無事治ったのだが、前の使用者の時のメモリーも復活させてしまったようで、少年の「ずっと一緒」という言葉がきっかけとなり、「ユキちゃんはどこ?」とユキちゃんを探すようになった。
【ここからは、アニメでの実際の会話(青字部分)】
「ポッポに心はある?」と少年の問いかけに、主人公・須堂(主にヒューマノイドを治療)は
「脳の秘密はずいぶん解明されたけれど、《心が何か》というのは、解釈がいろいろある。そもそも、心なんて誰にもないかもしれない」と。
メモリ内にある20年以上前のデータに残っていた前の持ち主の記憶のようだ
古いデータ(ユキに関するデータ)を消せば、元通りになるが、少年は「ユキとの思い出を消したら、ポッポは悲しいだろう」とそのままにすることにした。
母親が、息子はポッポに依存し過ぎと考え、ポッポをレンタル会社に引き取らせることにした。そのことを知った少年はポッポを連れて家出。
そこで、ジョーと女性・シズカが別れるところに遭遇。
「今日一日楽しかったよ。最後の思い出をありがとう」
「想い出?」
「うん、記念になった」
「もうすぐ忘れるのに?」と言う問い,にっこり微笑む。
「それじゃあ、お別れだ」
「さようなら、ジョーくん」
「当社のサービスをご利用いただき、ありがとうございました。
本日を以って、レンタルロボット・ジョーとの契約を終了させていただきます。
きみとのデータは、本社のサーバーに5年間保管されている。
もし、恋人とうまくいかなくなったら、復活の呪文をどうぞ」
「5年経ったら、どうなるの?」
「どんな想い出も、いつかは消えるんだよ」
彼女が去っていくのを見送るジョーに少年が
「あの……悲しくないの?」
(少し間をおいて)
「僕の振る舞いのすべては、予めプログラムされているんだ」
「学校で習った……《昔はヒューマノイドも機械だ》って考えられていたと。
でも、今は違う…だから(ロボットも機械ではない)」
「僕たちロボットは人間のために作られた商品だ。
《ロボットとヒューマノイドは違う》…それを忘れてはいけないよ」(微笑みながら語る)
「でも、さっきのお姉さんは泣いてたじゃないか。
歯ブラシを捨てる時に泣く人なんかいない。
だから、おにいさんにも…ロボットにも心がある……そうに決まっている」
「そうだね、彼女の中のぼくには心があったのかもしれない」
(ポッポに向かって)
「きみは誰?」
「ぼく、ポッポ」
「こんにちは、ポッポ。君のクライアントはいい人だね」
「うん、けんちゃん、すごく優しいよ。ポッポはケンちゃん大好きだよ」
レンタル会社の車の中で、機密保持契約に基づき、メモリをリセットされるジョー。
データ(記憶)のバックアップは録られるが、ロボット本体はデータをリセットされる。
だから、先の会話での「いい想い出になった」というのは、プログラミングによる“おざなりの言葉”と考えられる。
ジョーと別れた後、道端の階段に座り込む少年
「けんちゃん、おうち帰ろう」
「それって、僕を心配しているの?それとも、プログラムで言っているの?」
夕闇が進んでも座り込んだままの少年
「けんちゃん、けんちゃん……(少年が寝入ってしまったのに気がつき)けんちゃん、風邪ひいちゃう」
「誰かいますか?誰か気づいて、
誰か、けんちゃんを。だれか、だれか…」
皆、ポッポに気づかず通り過ぎる。
その一人が、ポッポにぶつかり、その衝撃で、ポッポは階段から転げ落ちる。
そこへ通りかかった車がポッポを轢いてしまう。
無残な姿になったポッポにようやく気付き、泣き叫ぶ少年……
両親が少年とポッポを引き取り、母親がようやく寝かしつけ、ボロボロのポッポを抱いて、夫のところに戻ったとき
「けん…ち…ゃん、かぜひいちゃう……だれか……気づいて、…だ…れ…か………」
「ポッポが自分を犠牲にして、車を止めたと考えてる?…考えすぎだと思うよ」
「そうよね…うん、そうに決まっている」
少年と母親とぽっぽで、ユキに対面(お墓の遺影)
「ポッポ、ユキちゃんだよ。ポッポはユキちゃんと仲が良かった?」
「うん、いつも一緒だったけど、突然会えなくなった。
ママもパパも、ユキちゃんがどこにいるか教えてくれなかった。
でも、ぼく、いつもユキちゃんに会いたかった。《ずっと一緒だ》って約束したから。
ユキちゃん、やっと会えたね」
涙を流す母親
「ロボットに心なんてない…か?」(←母親)
「本当にそう思う?」(←少年)
「わからない……ママもわかんなくなっちゃった」
「けんちゃん、これは海?」(←ポッポ)
「そうだよ」
「ぼく、海を見るの初めて……きれいだね」
シズカ(ジョーの元クライアント)が須堂のもとを訪れていた
「気がついたら、ジョーくんのことばかり考えていて」
「正直、医療の出番じゃないですよね。今の恋人と別れて、その復活の呪文とかいうサービスを使ったらどうです?」
「でも、ジョーくんの気持ちは?」
「ロボットはあなたのことを責めたりしませんよ。そいうふうにできてますから」
「だからって、わたし、そんな簡単に…。ジョーくんにどんな顔して会えば…」
「先生は、”ロボットに心はある”派じゃなかったんですか?」(←看護師・リサ)
「誰がそんなこと言った?」
「えっ?…でも…」
「俺は俺にしかできない治療がしたい…それだけだよ」
…………結局
「この度は、当社のサービスをご利用いただき、ありがとうございました。レンタルロボットのジョーです」
「よ、よろしくね」
↑
【訂正】
ジョーを利用したのは、シズカではなく、別の女性でした。
ポッポは泣かせるなあ
自分がボロボロになっても少年のことを心配する……
前の使用者のユキちゃんとの“ずっと一緒”の約束を果たそうとする……
ポッポを毛嫌いしていた母親も、《ロボットには心がない》と言い切れなくなってしまった。
《テディベアの姿》、《簡単でストレートな言葉しか発しない》……それがことさら、心を持っているように感じさせるのかもしれない。
しかし、上述の少年を心配する様子、ユキちゃんとの約束を果たそうとする姿は、心があると思えてしまう。
ポッポは20年以上も旧型であるにもかかわらず、恋人の要求に応じるよう精密に作られているはずの恋人ロボットよりも、心の存在を感じさせる。
もっとも、“恋人ロボット”は下手をすると、使用者がトチ狂ってしまう恐れがあるので、より事務的な対応をするようにプログラミングされているのだろう。
それに、人間の感情にあまり近づけてしまうのは、ロボットにとっても危険である。
逆に、テディベアタイプの愛玩ロボットなので、より人間に寄り添うように作られたのかもしれない。更に、20年前は、ロボットと人間の線引きが緩やかで、疑似感情に近づけたのかもしれない。
もっと深読みすると、ジョーも本当は心のようなものがあるのかもしれないが、プログラミングで事務的な会話しかできないようになっているかもしれない。(使用者の依存を軽くするため、“捨てる”という罪悪感を軽減させるため)
それはさておき、ジョーが言った「彼女の中のぼくには心があったのかもしれない」は、ある意味、真理である。
人間に対する人物像も、勝手に自分がその人に対して思っているものと、実際の性格(人格)はかけ離れていることも多い。例え、夫婦であっても(←私が“仮面夫婦”と言う訳では決してありません)
初めて海を見て「きれいだね」と言うポッポ。
それが、「海を見たら→”きれいだね”と言う」プログラミングではなく、《海を見て、美しいと思った》からだと思いたい。
【追記1】
ジョーが少年に言った言葉「彼女の中のぼくには心があったのかもしれない」
これ、プログラムによる言葉だとしたら、このプログラマーのセンス、素晴らしすぎる!
【追記2】
今話、シズカ(ジョーの使用者)が「私は悪くない」ジョーと思われる男性を地中に埋めているシーンから始まった。
そのシーンの後、うなされていたシズカが目を覚まし、隣にジョーがいて心配するシーンになった。
ジョーがいたのだから、過去の出来事ではないと思われる。
となると、《リース契約終了に怒ったジョーが暴走し、シズカに危害を加えようとして、抵抗したシズカに逆に破壊されてしまった》という予知夢的なものかと思ったが、
単に、契約終了(ジョーを捨てる)ということに、罪悪感を感じ、それが夢となって具現化?した……というだけのようだった。
……この夢、要らないよね。
参照:「第1話・第2話」、「第3話」、「訂正1・第3話について」、「第4話」、「訂正2・タイトルについて」、「第5話」、「第6話」、「第7話」、「第8話」、「第9話」、「第10話」、「第10話・追記」、「第11話」、「第12話(最終話)」
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