演技を超えた朝顔の講義だった
朝顔は、監察医の信条、責務などを淡々と、しかし、気持ちを込めて語った。
……上野樹里ではなく、法医学者の朝顔にしか見えなかった。講義というやや特殊な設定だったので、ドラマとしての視点とは少し違った傍観者としての視点という因もあるかもしれないが、上野樹里の女優の力によるものだろう。天性の演技力に加え、監察医・朝顔と向き合い、朝顔の人生を自分に見事の投影させていた。
【以下引用】(ザ・テレビジョン『上野樹里が見せた圧巻の演技にスタッフも思わず涙…「鳥肌が立ちました」<監察医 朝顔>』より)
金城P「このドラマの全てが詰まった8分間」
このシーンは、台本で8ページにも及び、ほぼすべてが朝顔のせりふという構成。このせりふは、金城綾香プロデューサーと上野が細かい言い回しや一語一語の意味合いに至るまで何度も練り、上野がせりふを読み上げた音声を聞きながら何度も推敲を重ね、異例の入念さで作り上げられた。
講義のシーンは約8分間。山場の部分はおよそ3分間に及んだが、1カットを長回しで撮影した。【引用終わり】
第1話の母親の娘への愛と東日本大震災、やや強引に“不詳の死”に結び付けた第8話も、この講義に集約されていた。
非常にいシーンだった……でも、ちょっとだけ注釈を
ドラマとしての監察医の意義は、第1話や第6話などの遺体の声(心情)を聞くという行為にある。それを講義で語るのは難しいし、詳細に説明すると下手をすると手柄話になってしまう。
対して東日本大震災の話は、一般の人にとっては、命の重さを思い浮かべやすい。
「溺死された方がたくさんいましたが、もしかしたら、その中に濡れた状態で救助を待っている間に凍死で亡くなられた方たくさんいたかもしれません。
この災害国である日本で、正しい死因を知ることは、今後死者を減らすことに繋がっていくと思います。私たちは亡くなられた方の命から学び、事前に正しい対処や適切な設備を整える必要があると思います。……
……………… ………………
…………法医学者はもう命を救うことは出来ませんが、ご遺体に耳を傾けることが出来る唯一の存在だということです。亡くなられた方の最後に寄り添い、その方が生きている間に伝えたかったことや、法医学者にしか読み解くことが出来ないその証をひとつでも見つけようとする…それが、人間が、人間の手で、亡くなられた方の魂を弔うことに繋がると思います」
★結衣(松長ゆり子)の階段での転落死の検証については不満
――解剖の結果、重篤な損傷は、頭蓋骨と頸椎の骨折。足を踏み外して背中からずり落ちたにしては背中の傷が少なく、三郎(きづき)のDVを連想させる事象が浮かび上がったため、三郎が階段の上から突き落としたのではないかという嫌疑がかかった――
そこで、階段からの転落の実証実験、再解剖(特に脾臓の周辺)、先の解剖で摘出した脾臓の病理検査を行った。鑑識もサイドの現場検証を行う(特に手すりなど)
そして導き出された結論(推論)は
「1週間前に自転車で転倒した際、脾臓を破損(脾臓の破損は階段転落時ではなかった)。症状は出なかったが、じわじわ病状が進行し、事件(事故)の時に発症、階段を上りかけた時に、激痛が生じ、足を踏み外してしまった」
【不満】
・今頃、現場検証なの?
・階段の上から突き飛ばす再現実験だが、1回だけでいいの?(突き落とす力加減は様々だと思う)
・光子(志田未来)は立ったまま眺めていただけなのに「背中の傷も少ないですねぇ」って?
・三郎が自供したのは何故?
・「金属音を聞いた」という近所の中学生の証言(金属バットが凶器?)←モスキート恩を利用した目覚まし音だった。「モスキート音≒金属音」…強引!
第1話、第2話、第6話、第7話、第8話
【ストーリー】番組サイトより
朝顔(上野樹里)は、三郎(きづき)の妻・結衣(松長ゆり子)の死因鑑定を手伝わせてほしいと茶子(山口智子)に申し出る(←これって、前話のシーンだよね)。もしまた手が震えたら、茶子や藤堂(板尾創路)、光子(志田未来)が代わってほしい、と訴える朝顔。その思いを受け止めた茶子は、朝顔の願いを聞き入れる。一方、平(時任三郎)も捜査への参加を直訴し、今回の案件に違和感を抱く丸屋(杉本哲太)とともに改めて実況見分に向かう。
警察は、結衣が次男・陽斗(遠藤千空)への授乳中に眠ってしまい、顔を圧迫された陽斗が病院に運び込まれた件で虐待を疑われたことを掴んでいた。その際、三郎は結衣を叱責したという。また、1週間前、結衣が自転車で転倒したというケガも、三郎によるDVではないかと疑っていた。
三郎の家を訪れた朝顔と茶子は、階段の高さや角度だけでなく、壁なども丹念に調べていく。結衣のスマートフォンなどを押収した平と丸屋は、不審者が侵入した可能性も考え、家全体の指紋を採取する。
法医学教室に戻った朝顔たちは、ダミー人形を使って落下実験を行う。その結果、1階にミルクを取りに行く際に足を滑らせたのではないかという三郎の証言や、三郎が2階から突き落としたとする警察の見立てのどちらも、傷の付き方や倒れていた姿勢と矛盾することが判明する。
一方、桑原(風間俊介)は、県警本部がマークしていた建設会社に関わりがあるらしい刺殺事件を追うことになるが……。
原作:(作)香川まさひと (画)木村直巳 (監修)佐藤喜宣
脚本: 根本ノンジ
演出: 阿部雅和
朝顔は、監察医の信条、責務などを淡々と、しかし、気持ちを込めて語った。
……上野樹里ではなく、法医学者の朝顔にしか見えなかった。講義というやや特殊な設定だったので、ドラマとしての視点とは少し違った傍観者としての視点という因もあるかもしれないが、上野樹里の女優の力によるものだろう。天性の演技力に加え、監察医・朝顔と向き合い、朝顔の人生を自分に見事の投影させていた。
【以下引用】(ザ・テレビジョン『上野樹里が見せた圧巻の演技にスタッフも思わず涙…「鳥肌が立ちました」<監察医 朝顔>』より)
金城P「このドラマの全てが詰まった8分間」
このシーンは、台本で8ページにも及び、ほぼすべてが朝顔のせりふという構成。このせりふは、金城綾香プロデューサーと上野が細かい言い回しや一語一語の意味合いに至るまで何度も練り、上野がせりふを読み上げた音声を聞きながら何度も推敲を重ね、異例の入念さで作り上げられた。
講義のシーンは約8分間。山場の部分はおよそ3分間に及んだが、1カットを長回しで撮影した。【引用終わり】
第1話の母親の娘への愛と東日本大震災、やや強引に“不詳の死”に結び付けた第8話も、この講義に集約されていた。
非常にいシーンだった……でも、ちょっとだけ注釈を
ドラマとしての監察医の意義は、第1話や第6話などの遺体の声(心情)を聞くという行為にある。それを講義で語るのは難しいし、詳細に説明すると下手をすると手柄話になってしまう。
対して東日本大震災の話は、一般の人にとっては、命の重さを思い浮かべやすい。
「溺死された方がたくさんいましたが、もしかしたら、その中に濡れた状態で救助を待っている間に凍死で亡くなられた方たくさんいたかもしれません。
この災害国である日本で、正しい死因を知ることは、今後死者を減らすことに繋がっていくと思います。私たちは亡くなられた方の命から学び、事前に正しい対処や適切な設備を整える必要があると思います。……
……………… ………………
…………法医学者はもう命を救うことは出来ませんが、ご遺体に耳を傾けることが出来る唯一の存在だということです。亡くなられた方の最後に寄り添い、その方が生きている間に伝えたかったことや、法医学者にしか読み解くことが出来ないその証をひとつでも見つけようとする…それが、人間が、人間の手で、亡くなられた方の魂を弔うことに繋がると思います」
★結衣(松長ゆり子)の階段での転落死の検証については不満
――解剖の結果、重篤な損傷は、頭蓋骨と頸椎の骨折。足を踏み外して背中からずり落ちたにしては背中の傷が少なく、三郎(きづき)のDVを連想させる事象が浮かび上がったため、三郎が階段の上から突き落としたのではないかという嫌疑がかかった――
そこで、階段からの転落の実証実験、再解剖(特に脾臓の周辺)、先の解剖で摘出した脾臓の病理検査を行った。鑑識もサイドの現場検証を行う(特に手すりなど)
そして導き出された結論(推論)は
「1週間前に自転車で転倒した際、脾臓を破損(脾臓の破損は階段転落時ではなかった)。症状は出なかったが、じわじわ病状が進行し、事件(事故)の時に発症、階段を上りかけた時に、激痛が生じ、足を踏み外してしまった」
【不満】
・今頃、現場検証なの?
・階段の上から突き飛ばす再現実験だが、1回だけでいいの?(突き落とす力加減は様々だと思う)
・光子(志田未来)は立ったまま眺めていただけなのに「背中の傷も少ないですねぇ」って?
・三郎が自供したのは何故?
・「金属音を聞いた」という近所の中学生の証言(金属バットが凶器?)←モスキート恩を利用した目覚まし音だった。「モスキート音≒金属音」…強引!
第1話、第2話、第6話、第7話、第8話
【ストーリー】番組サイトより
朝顔(上野樹里)は、三郎(きづき)の妻・結衣(松長ゆり子)の死因鑑定を手伝わせてほしいと茶子(山口智子)に申し出る(←これって、前話のシーンだよね)。もしまた手が震えたら、茶子や藤堂(板尾創路)、光子(志田未来)が代わってほしい、と訴える朝顔。その思いを受け止めた茶子は、朝顔の願いを聞き入れる。一方、平(時任三郎)も捜査への参加を直訴し、今回の案件に違和感を抱く丸屋(杉本哲太)とともに改めて実況見分に向かう。
警察は、結衣が次男・陽斗(遠藤千空)への授乳中に眠ってしまい、顔を圧迫された陽斗が病院に運び込まれた件で虐待を疑われたことを掴んでいた。その際、三郎は結衣を叱責したという。また、1週間前、結衣が自転車で転倒したというケガも、三郎によるDVではないかと疑っていた。
三郎の家を訪れた朝顔と茶子は、階段の高さや角度だけでなく、壁なども丹念に調べていく。結衣のスマートフォンなどを押収した平と丸屋は、不審者が侵入した可能性も考え、家全体の指紋を採取する。
法医学教室に戻った朝顔たちは、ダミー人形を使って落下実験を行う。その結果、1階にミルクを取りに行く際に足を滑らせたのではないかという三郎の証言や、三郎が2階から突き落としたとする警察の見立てのどちらも、傷の付き方や倒れていた姿勢と矛盾することが判明する。
一方、桑原(風間俊介)は、県警本部がマークしていた建設会社に関わりがあるらしい刺殺事件を追うことになるが……。
原作:(作)香川まさひと (画)木村直巳 (監修)佐藤喜宣
脚本: 根本ノンジ
演出: 阿部雅和
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