ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

スープ・オペラ

2010-10-03 16:49:07 | さ行

地味な配役ながら
意外に(失礼)魅力あり。

ちょっと高野文子のマンガ
「るきさん」を思い出しました。


「スープ・オペラ」72点★★★☆


古家に暮らす30半ば過ぎ?の
図書館員ルイ(坂井真紀)のもとに
還暦過ぎた怪しい絵かき(藤竜也)
若い男(西島隆弘)が転がり込んで

奇妙な同居生活が始まる……というストーリー。


おままごとみたいな話で

まあいちジャンルと化した
「おいしいごはん&丁寧な暮らし」系
ゆるムービーではあるけれど

見ているうちにだんだん好きになる
“ほっくり”した映画でした。


バンドネオンの音楽が
「おとぎ話感」を上手に演出してるし

原作の阿川佐和子が書いたのだろうか
しっかりした文章、セリフに支えられている。


坂井真紀の作った声も
最初は気になったんだけど
だんだん慣れました。


なによりも
主人公をさりげなく成長させる
藤竜也さんのアヤシイおやじぶりが
すげえチャーミングで好きでした。


彼が話す「メキシコのバス」の
エピソードが心に残りましたねえ。

恋愛をバスに例えてて
確かこんな話。

「メキシコのバスは
待ってるだけじゃ止まってくれない。
自分で『エイヤッ』と飛び乗るんだ

というような。

なかなか「ふーん」でしょ?


★10/2からシネスイッチ銀座ほか全国で公開中。

「スープ・オペラ」公式サイト
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする