原作が先か、映画があとか。
オリジナルが先か、リメイクが先か。
毎度、悩まされる問題ですわー。
「モールス」67点★★★☆
「グローバーフィールド」の監督による
スウェーデン映画「ぼくのエリ 200歳の少女」の
ハリウッドリメイク版です。
アメリカの雪深い田舎町。
いじめられっ子の少年オーウェン(コディ・スミット=マクフィー)は
ある夜、団地に越してきた
少女アビー(クロエ・グレース・モレッツ)と出会う。
雪の中でも裸足で、
いつもひとりぼっちなアビーと
オーウェンは次第に打ち解けていく。
だが同じころ、
街では残酷な殺人事件が多発する。
そして、オーウェンはある日
アビーの恐ろしくも哀しい秘密を知ってしまう――。
ストーリーも本筋は
オリジナルそのままで、
冷たい雪の風景や切なさを盛り上げる
叙情的な映像なども
ほぼ踏襲していました。
ただ、冒頭から
音楽も映像作りも、かなり「脅かし系ホラー」な雰囲気。
意外に血みどろは見せないけど、
主人公の正体を決定づける
決定的なシーンがあったり
わかりやすい小道具を配したり、と
ヨーロッパ的美学と
「ハリウッドらしい分かりやすさ」の
ギリギリのせめぎあいがみてとれますね。
番長、原作をまだ読めてないんですが
(在庫ナシだったんだよ~~涙)
おそらく監督は
原作も相当読み込んでいるのでは。
オリジナルへの敬意を表明しつつ
“ハリウッド”“自分らしさ”を出そうとしているのはわかります。
しかし、
リメイクってホント難しいというか、
全然ダメレベルじゃないけど、
まあ似てたら似てたで
「なんで作ったの?」という気も(笑)
どうしても
いい映画を「英語で作ってもっと多くの人に観て欲しい」という
理由以上のものを欲してしまうので。
で、やっぱり本作も
換骨奪胎、までいかないんですよね。
それにやっぱり「エリ」とは
何かが決定的に違う。
その違いっていうのは
「あえて」した差異でなく
本当は本作でも監督が
残したかったものなんじゃないかなーと。
素因は
北欧的“白”やヨーロッパ的“余白の美”にあるのかもしれませんが、
まあそのへんは好みとしても、
本→映画でも、映画→映画でも
ファーストインパクトには
どうしたってかなわないんで
リメイク版にそれを越える何かを
求めちゃうのはしかたないすね。
ただ「すべて彼女のために」のハリウッドリメイク版
「スリー・デイズ」(9/23公開)よりは
いいリメイクだと思う。ココだけの話(笑)。
映画評論家にもおおむね高評価だし、
なにより本作を先に見た方は
ほぼ満足のようですよ。
アビー役はまさに旬!な
「キック・アス」の
クロエ・グレース・モレッツで
オーウェン役は
「ザ・ロード」のあの少年で、存在感ある。
やはり、どちらも見比べてみるのがいいかと。
で、ワシは原作早く読みまーす。
★8/5から全国で公開。
「モールス」公式サイト