ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

あしたのパスタはアルデンテ

2011-08-22 21:52:50 | あ行

中盤からグィーンとおもしろさが加速する!

「あしたのパスタはアルデンテ」74点★★★★


最初「アルデンテな男たち」の名で
イタリア映画祭で上映され、好評だった映画です。


現代の南イタリア、プーリア州の町。

パスタ会社を営むカントーネ家の次男は
家族にある告白をしようとしていた。


ひとつは「家業を継がず、作家になりたい」こと。

そしてもうひとつは
「自分がゲイであること」。

そして、いよいよ家族が集まる宴の席で
それを発表しようとした矢先、

長男が立ち上がってこう言い出した。

「僕はゲイなんです」

……うん、そう、ゲイ……
え?ええ??兄さんも?!

思わず二度見?の仰天展開に一族は大揺れ。

さあ、どうなる?!


南部の古風さを残す一族に起こる騒動を
たっぷりのワインと食事で描く、ドラマ。


普遍の家族ドラマ要素をちりばめ、
ある部分は軽やかなコメディに、
ある面はシリアスに、と楽しませてくれます。


しかも
最初はまあ平均的な
メロドラマかなと思ったんですが、

中盤のある出来事が、これまた爆笑もの。

グィーンとおもしろさが加速しました。

フェルザン・オズベテク監督は
イタリアのアルモドバルといわれているそう。

セクシャリティの共通点もありますが、

おなじみ『週刊朝日』8/26号「ツウの一見」でお話を伺った
NHK「テレビでイタリア語」講師の
鈴木マリア・アルフォンサ先生(美人!)も
おっしゃってました。

いかにもイタリア的な家族の肖像でありながら、
トルコ出身の監督なので
ベッタベタのイタリアンというよりも
適度な客観性がいいらしいです。

笑えて、ちょい切ない
気の利いた一品です。

★8/27からシネスイッチ銀座ほか全国順次公開。

「あしたのパスタはアルデンテ」公式サイト
コメント (2)
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