中盤からグィーンとおもしろさが加速する!
「あしたのパスタはアルデンテ」74点★★★★
最初「アルデンテな男たち」の名で
イタリア映画祭で上映され、好評だった映画です。
現代の南イタリア、プーリア州の町。
パスタ会社を営むカントーネ家の次男は
家族にある告白をしようとしていた。
ひとつは「家業を継がず、作家になりたい」こと。
そしてもうひとつは
「自分がゲイであること」。
そして、いよいよ家族が集まる宴の席で
それを発表しようとした矢先、
長男が立ち上がってこう言い出した。
「僕はゲイなんです」
……うん、そう、ゲイ……
え?ええ??兄さんも?!
思わず二度見?の仰天展開に一族は大揺れ。
さあ、どうなる?!
南部の古風さを残す一族に起こる騒動を
たっぷりのワインと食事で描く、ドラマ。
普遍の家族ドラマ要素をちりばめ、
ある部分は軽やかなコメディに、
ある面はシリアスに、と楽しませてくれます。
しかも
最初はまあ平均的な
メロドラマかなと思ったんですが、
中盤のある出来事が、これまた爆笑もの。
グィーンとおもしろさが加速しました。
フェルザン・オズベテク監督は
イタリアのアルモドバルといわれているそう。
セクシャリティの共通点もありますが、
おなじみ『週刊朝日』8/26号「ツウの一見」でお話を伺った
NHK「テレビでイタリア語」講師の
鈴木マリア・アルフォンサ先生(美人!)も
おっしゃってました。
いかにもイタリア的な家族の肖像でありながら、
トルコ出身の監督なので
ベッタベタのイタリアンというよりも
適度な客観性がいいらしいです。
笑えて、ちょい切ない
気の利いた一品です。
★8/27からシネスイッチ銀座ほか全国順次公開。
「あしたのパスタはアルデンテ」公式サイト