ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ぼくの好きな先生

2019-03-24 00:47:53 | は行

「こんな夜更けにバナナかよ」監督が

恩師・・・とは違うか

出会った強烈な“先生”を写したドキュメンタリーです。


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「ぼくの好きな先生」70点★★★★


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「こんな夜更けにバナナかよ」の前田哲監督が

2009年から東北芸術工科大学に准教授として赴任し、

そのときに出会った

同じ大学で洋画を教える画家・瀬島匠さんがおもしろくって!撮った!という感じの

ドキュメンタリー。

 

マシンガントークの芸術家と

撮影者・前田氏のトボけたツッコミや、対話がおかしく(笑)

一人の芸術家の創作と人となりに迫っていて

なかなかおもしろい。

 

瀬島さんはとにかくじっとしていられないタチで

常に体を動かし、手を動かして、何かを「創作」している。

 

そのパッション、そして

「芸術は人の心を動かしてこそ。

『いい絵』というものがあるのではなく、『人の心を動かした絵』があるのだ」など

こぼれる発言が、なるほど深くもある。

 

映画は瀬島さんのキャラクターの魅力と作品を写しながら

終盤、ハッとさせる

ある家族の事情を、明らかにするんですね。

 

家族のなかで、一番「破天荒そうな」自分が

いまだ生き延びていることを自嘲気味に語る彼は

その創作の原点を、このときに、もっとも露わにしている。

 

こういう告白はやはりドキュメンタリーの力なのか、と

改めて思うのでありました。

 

RCサクセションの名曲に

相応する先生だと思います。

 

★3/23(土)から新宿ケイズシネマほか全国順次公開。

「ぼくの好きな先生」公式サイト


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