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ロバート・レッドフォード、82歳。
・・・・・・渋いねえ!
「さらば愛しきアウトロー」72点★★★★
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1981年、テキサス州。
スーツを着こなした品のいい紳士が
銀行から出てきて、優雅な身のこなしで車で走り去った。
男の名はフォレスト・タッカー(ロバート・レッドフォード)。
たったいま銀行強盗を働いたところだった。
窓口担当の女性にやさしく微笑み、「金を入れてくれ」とバッグを差し出す。
フォレストは誰も傷つけることなく
銀行強盗を繰り返してきた“達人”だった。
ある日、たまたまフォレストが強盗を働いた銀行に
非番の刑事ジョン・ハント(ケイシー・アフレック)が居合わせる。
なにも気付かずに強盗が行われていたことに驚いたジョンは
フォレストの犯罪を追い始めるが――?
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ロバート・レッドフォードが
俳優をこれで終いにする、とした作品。
監督はめちゃくちゃ余韻残した
「A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー」(17年)の
デヴィッド・ロウリーです。1980年生まれ。
レッドフォードが
誰も傷つけずに犯罪を繰り返した“紳士的”な強盗を
品を持って演じていて
ゆったりとゆるゆると、派手さはないけど
目が離せない。
ドンパチなし、老境ならではの色気と、余裕に満ちた作品で
実に見事な人生の一区切り、締めくくりだと思いました。
そして
さすがレッドフォードだなあと感じたのが
次の世代との関わりと、バトンの渡し方。
ここでは
自分を追う40歳の刑事、ケイシー・アフレックというキャラを立て
ミドルエイジで下り坂、日々ダウナーな40歳が
74歳の銀行強盗の、なんだか生き生きと人生を楽しんでいる一端に触れて
意外な共鳴と、活力をもらう、という展開になっている。
強盗と刑事、立場を異にする二人が
魂レベルで通じ合う感じが、いいんですねえ。
81年からサンダンス・インスティテュートを設立し
サンダンス映画祭をはじめ
多くの若手を発掘することにも尽力してきた
レッドフォードらしさを感じました。
デヴィッド・ロウリー監督もサンダンス映画祭で評価されたんだもんね。
そして
実話が基で、さらに老人の犯罪といえば
御年89歳となったクリント・イーストウッドの
似て非なる老境の捉え方なのか、
本人の持つ雰囲気が、その映画が醸す雰囲気に映っているのかなあとも思う。
比較してみるのも、おもしろいかと。
★7/12(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国で公開。
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