ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

空気人形

2009-09-04 00:55:00 | か行
泣いちゃった。
「空気人形」87点★★★☆

「誰も知らない」「歩いても 歩いても」の
是枝裕和監督作。


ダッチワイフ、いや最近はラブドールっていうんですか
その人形に魂が宿る、という話。

業田良家の原作マンガは知ってたけど

映像で人間と人形の境目をどうやって描くんだ?と思ったら、
これがまた、異様なまでに自然なんです。

もうね
人間になった人形(ペ・ドゥナ)が
街の銅像やマネキンに触れるシーンだけで
ジワッときてしまいますから。

やさしいなあ、是枝監督。


人形が人間に恋する展開は
ピノキオや人魚姫といった寓話とおなじく
はかなさや、残酷さをはらんでいて

くぅ~、切ない!

目に見えない”空気”を写し撮ったカメラもすごい。

本当はラストがちょっと不満だけど
まあ
こんな映画なら、泣かされてもいいや。

ひとり静かに観ることをオススメします。

宣伝素材の写真もいいよね。
瀧本幹也さん撮影だそうです。


※9/26から渋谷シネマライズほかで公開
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正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官

2009-09-03 01:35:21 | さ行
ハリソン・フォードが
久々にヒットな役柄を選んで大正解!の

「正義のゆくえ」88点。★★★☆

「社会派が好み」という人に
いま一番オススメしてる映画。

9.11後、厳しくなったという
アメリカの移民問題を描いてます。

同じテーマを扱った
「扉をたたく人」よりも
ストレートな問題提起がわかりやすいし

複数の移民たちのエピソードを
同時進行で見せる手法には
「クラッシュ」を思わせる深度がある。


授業でテロについて発言した
バングラディッシュ出身の15歳の少女が
あっという間にテロリスト予備軍のように
扱われる様が恐ろしい。

さほど現実離れしたことでもないようです。コワ

映画って勉強になるから好きだ。


★9/19からTOHOシネマズシャンテほかで公開。

アマルフィ、混んでました。。

50代~60代のオバさま多し。
織田ファン?天海ファン?




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サブウェイ123 激突

2009-09-02 01:15:25 | さ行
今さかんにテレビCMが流れております
「サブウェイ123 激突」。

95分だし、デンゼル・ワシントンだし(ちょっと太った?)
まずまず満足度70点。


NYの地下鉄ジャックを描くサスペンスアクション
タイトルの「123」は、1時23分発の列車という意味。

独特の疾走感ある映像で
けっこうハラハラしっぱなし。

95分とは思えないボリュームです。

ただ二重三重のどんでん返しが当たり前の昨今、
犯人像のシンプルさは
ちょっと拍子抜けでもある。

元ネタを観ていないのだが
そのあたりも忠実なのだろうか。

★9/4からTOHOシネマズ日劇ほかで公開

明日「アマルフィ」観に行くか…

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あの日、欲望の大地で

2009-09-01 00:26:59 | あ行
あ行、にこだわってるわけではありませんが。

今日のオススメは
「あの日、欲望の大地で」。

「裸の出てくる映画は、ひとりでこっそり見たい」がぽつお番長の本音

なので
ワイン片手にひとりで見たい度85

監督が「バベル」の脚本家だけあって
最初は凝った構成に翻弄されるけど

解きほぐれたときの快感が、格別。


湿ったシャーリーズ・セロンの裸
乾いたキム・ベイシンガーの裸

どちらも最高
どっちに転ぶかわからないラストも見ごたえアリです。


9/26からBunamuraル・シネマほかで公開


※週刊朝日9/14発売号(予定)の「ツウの一見」で
 作家・白川道さんのおすすめコメント出ます。
 ぽつお番長が聞き手です。ヨロシク!




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