英語道(トラスト英語学院のブログ)

トラスト英語学院(長野県伊那市)塾長。英語指導や自身の英語学習雑感、趣味のランニングと筋トレについて綴ります(^^)

アツイ コトバ

2010年06月26日 | 閑話
誰にでも、心に残る言葉があります。

それは、何気ない一言であったり、メッセージであったり、本の一節であったり・・・。そして、その言葉によって人生が変わることだってあると思います。

大勢の前で何かを発表するとき、人を好きになったとき、どちらの車を買うか迷ったとき、大きな仕事をまかされたとき・・・。選択を迫られたり、自分に自信を持たなければならない状況は、普段の生活の中でも多々あります。そんな場面で、心の拠り所となる言葉は、矜持と決断力を与えてくれるものです。

生徒を動かすには、彼らの心に染み込んでいく言葉をいかにして発せられるかが大きなウェートを占めます。杉本太郎氏が『アツイ コトバ』で述べられていることは、私の体に染みわたります。


だからこそ、私は言葉がもつ力を信じたい。

ふと、私の心に残っている言葉は何だろうと考えました。

それは、祖父からもらったこの言葉です。
早稲田はおろか滑り止めの大学にもすべて落ちて浪人が決まった高3の終わりに、祖父は私を大衆食堂に呼び出しました。そこで「もう飲めるんだろ?」とビールを注がれたことが、ついぞ昨日のことのように思い出されます。

建具師であった職人気質の祖父が、孫である私に、面と向かって人生論を語ることはありませんでした。

そのとき、浪人についての話は一切なく、「まあもう一年頑張ってみろ」とだけ言われた記憶があります。今となればその不器用さがとても嬉しく感じます。

早稲田に受かった年の夏、年老いた体にもかかわらず、私の一人暮らしの様子をみたいと、東京のアパートまで来てもらいました。そのとき撮った写真は、今でも大切にアルバムに保管されています。

そんな祖父から、私が中学生の頃、クリスマスプレゼントとともにそこに添えられたメッセージカードをもらいました。
「他事に頼らず自分の信ずるとおりに進め」
なぜだか分かりませんが、この言葉は私の心にスーっと入り込んできて、今でもそのカードを大切に持ち続けています。

浪人、大学進学、就職、結婚、留学、再就職、子供の誕生、出版・・・等々。私の人生の節目に、私を後押しする言葉として、祖父は常に私の心の中に現前するのです。

今日は、そんな祖父の15周忌です。


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