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1980年以前の中学に家庭科、未必修の男性諸氏に医療従事者を含め必要かも。

[◎テルペン類]食生活について語ろう

2024年09月29日 | 美容ダイエット

◎テルペン類Terpene てるぺんるい
  食品のタンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルが既知(きち)の栄養素とし知られていましたが、最近では、ファイトケミカルphytochemicalsともいわれ6番目の食物繊維に加え、第7番目の栄養素とし1980年代より植物に無機質(ミネラル)、ビタミンと異なる物質が人体にとって有用な働きをすることが知られるようになりました。

この物質をファイトケミカルと呼んで大きく分類するとカロチノイド類(βカロチンなど)、ポリフェノール(イソフラボンなど)、イオウ化合物(イソチオシァネートなど)の3種に分けられます。

植物の新健康成分で、野菜・豆類・果物・種実類に多くその種類は一万種ともいわれ主な働きは、抗酸化、活性酸素除去、老化防止があげられます。

その中のテルペン類(ピネン・リモネン・カロチン・ビタミンAなど)は、殆どの植物に最も広く分布、多少に関わらず炭素を含み有機化合物とし存在、テルペノイドともいわれます。炭素数の数により5個でイソプレン(C5H8)を基礎単位としてイソプレン2つ(炭素:C10H16)をモノテルペンとしています。順に3個をセスキテルペン(C15H32)等と呼んでいます。

構造的に鎖状(脂肪族)、環状(芳香族)があります。苦味成分は、きのこ類に多く含みます。万年たけ(霊芝)は、苦味が非常に強く一般に食用とはされません。きのこの品種産地、気象条件により苦味を含む量に違いがあり旨みにも関係しています。芳香性のものは、モノテルペン、セスキテルペンで殆どが占められます。

樹木(針葉樹、カンファー)、柑橘類の皮などに含むリモネン、ピネン、シネオール、はっかに含まれるメントールの成分などで芳香性炭化水素系であり精油されます。

●芳香性の、モノテルペンmonoterpene(C10H16)には、自然界で400種類ほどが知られます。アロマセラピーによく利用されています。
ゲラニオール(ゼラニオール)、ネロール、リナロール、シトラール、シトロネロール、メントール、ミント、ミルセン、ピネン、リモネン、テレピネロール、カルボン、ヨノン、カンファー(樟脳)、ボルネオール、フェランドレンPhellandreneなどがあります。

カンキツ類の香り成分は、モノテルペンと総称される一連の揮発性物質です。魚を焼くと強力な発がん物質であるニトロソ化合物が生成されますが、カンキツ類の香り成分はニトロソ化合物の生成を抑制するのです。焼き魚にレモン果汁をかけるのは、発がん物質の生成量を減少させるという意味で理にかなった焼き魚の食べ方ということができます。


●セスキテルペンSesquiterpene(C15H24)では
エレメン、カジノールCadinol、カジネン、ファルネソール、ネロリドール、フムレン(クローブ)、サントニンがあります。


●ジテルペンDiterpene(C20H32)は
ゲラニオール、フィトール、アビエチン酸、タキソールがあります。

●セスタテルペンSesterterpenoid(C25H40)は、主に菌類、地衣類などの下等植物や昆虫、海綿などの下等動物から検出されますが、その数は少なく、分布も限られています。
ゲラニルファルネソール


●トリテルペンTriterpene(C30H48)は、遊離またはエステル(ろう)、もしくは配糖体とし植物界に100種程度が確認され分布します。キノコ、高麗人参類の含有する成分として抗がん作用などの生理活性が見出されています。
スクアレン 深海鮫の肝油に多量に含まれますが植物にも含んでいます。
リモニン、カメリアゲニン、ラノステロール、オレアノール酸(青シソ・高麗人参・センブリ・フトモモなど)、ウルソール酸、スクアレン、ホパン、ベチュリン酸(ベツリン酸)があります。


●テトラテルペン(C40H64)は
カロチノイド(カロテノイド)、リコピンがあります。


これらのテルペノイド類の香気成分は、質量分析などにより構造が知られるようになり合成されたものが安価で多く出回っています。
香料、刺激剤、消炎、血流改善、鎮静作用がありアロマセラピー、医薬品に用いられます。粘膜を刺激することから室内汚染空気汚染ガイドラインで規制の対象とされテルペン類0.03mg/m3の総揮発性有機化合物(TVOC)がWHO(世界保健機構)によりガイドラインが定められています。テルペン類で木の香りの元になっているピネン、リモネンは多量に発生すると粘膜を刺激することになるのです。

この香りの成分、森林の香り(フィトンチッド)も微生物、害虫を寄せ付けない為の防御です。ヒノキでは、カンファー、αーピネン、カジノールの類が香りの主成分です。フィトンチッドとはもともとロシア語からきていてフィトン(植物)、チッド(他の生物を殺す能力を有する)を意味し植物から出る揮発成分は殺菌作用があるということを意味します。多くの樹木は6月から8月にかけて精油量が多く冬は少ないとされます。森林内の大気中のテルペン類の濃度も春から夏にかけて多くなり、空気がすがすがしく新鮮さが感じられます。
 針葉樹林内のテルペン類の濃度は季節により数百ppbから数ppmの違いがでています。テルペン類は、αー、βーピネン、カンフェン、リモネンなどのモノテルペンが主で通常はαーピネンの濃度がもっとも高くなっています。
ppm(parts Per Million) 試料中の物質の量を百万分の1で表示する単位1ppmは、1mg/1kg、1cc/1kl、1cm3/1m3の濃度の単位比率です。 1ppm=1,000ppb 1ppb は1ppm の 1000 分の1を表わす。

  

         *ピネン ぴねん
  テルペン類、針葉樹(松、ひのきなど)、柑橘系に多く含むが殆どの植物に微量ながら含む。松の葉、樹脂に多く含み英語のpineneは、pine(松)より名前がついたという。酸味系パインの香りで精油され食欲増進、新陳代謝、血行をよくし脳を活性化させリラックス効果がある。テレビン油の主成分であり樟脳(しょうのう)の原料にもなる。粘膜を刺激することから室内汚染空気汚染ガイドラインで規制の対象とされテルペン類としてWHO(世界保健機構)により0.03mg/m3のガイドラインが定められる。


       *リモネンLimonen りもねん
  テルペン類、スウィーティ、グレープフルーツ、レモンの皮、さのうでライム、かぼすに多く、オレンジの芳香があり香料、アロマセラピー(芳香を用いた健康、美容法)に使われる。Dーリモネンは、脂溶性でオリーブオイルでドレッシングするとよく、肺に直接作用し、免疫力強化、新陳代謝を活発にして血行を促進、脂肪分解、抗酸化、安眠作用、脳の活性化させる作用とし働き、中枢神経の興奮を鎮静化、また発ガンを抑制することも知られる。

 

厚生労働省からの意見募集より
  なおドイツの家屋を対象にした実地試験の経験から、TVOC(総揮発性有機化合物)の上限値を推測した。すなわち、実地試験の平均値である300μg/m3が容易に達成可能なレベルで あるので、これを超えないものとした。またこのTVOCを異なる化学分類に割り振る場合は、次の通りとした。脂肪族炭化水素100μg/m3、芳香族炭化水素50μg/m3、テルペン30μg/m3、ハロゲン化炭化水素30μg/m3、エステル20μg/m3、アルデヒド/ケトン(ホルムアルデヒドを除く)20μg/m3、その他50μg/m3。さらに個別のVOC濃度に関して、該当する化学分類の平均値の50%を超えているVOCが存在しないこと、及び測定されたTVOC値の10%を超えるVOCが存在しないこと、とした。これらの数値は、全て、毒性学的データから求めたものではなく、合理的に達成可能なレベルとして判断されたものである。

厚生労働省での室内空気汚染に係るガイドライン(案)に対する意見の募集結果について平成12(2000)年に示されています。
テルペンについて抜書きしてみました。

TVOC(総揮発性有機化合物)に対する意見
意見の概要
・テルペンは天然物由来で、健康阻害するものではなく、むしろ他のVOC(揮発性有機化合物)を除去するのに役立ち、健康に良く快適性をもたらすものなので、必須VOCs(Volatile Organic Compounds :揮発性有機化合物)リストから除外すべき。(3)
・テルペン類は必須VOCsリストから削除すべき。環境庁の「におい環境指針」で植物の香りを快適な環境を作るための香りとしてあげている。多様な生物活性を有し、利用方法によっては安全かつ有益である。
・天然系のテルペン類は日本の伝統的な木造住宅では当たり前に放散されており、リラックス効果も指摘されている。室内汚染の目安としてTVOC( Total Volatile Organic Compounds:総揮発性有機化合物 )に含むのはどうか。(7)
・必須VOCsリストにあげられた諸物質の設定根拠が明確でない。「フィトンチッド(森林浴)」に相当するものまでTVOCとして計算されることは疑問。
・自然由来の素材は有用性が認められてきており、疑わしいとして全て規制すると、逆にその有用性が失われ別のリスクが拡大しないか。物質の選定は慎重に行う必要がある。(2)


意見に対する対応・考え方
テルペン類の効用についてはご指摘の通りで、通常であれば、室内空気中に存在する濃度で人体に悪影響が及ぼすことは考えにくいと思います。しかし物質によっては医薬品に応用されるような強い活性を有するものもあることから、現時点で全てのテルペン類は人体への悪影響がないとは決して言えません。また、化学物質過敏症と呼ばれる症状で苦しんでいる方のなかには、ある物質に高濃度に又は長期間暴露したことがきっかけで、テルペン類を含む他の物質にも過敏になっているケースがありえます。また他の化学物質とテルペン類との混合影響の知見もまだ十分に得られていないと思います。TVOC暫定値の設定において参照した、欧州委員会共同研究センター報告書のなかでは、TVOC決定手順の必須VOCリストにテルペン類が含まれています。
またUS-EPAの室内空気質参照マニュアルにおいては、Contaminantとして、テルペン類に分類されるVOCの測定値が紹介されています。テルペン類については今後のリスク評価において毒性上問題ないことがデータから明かであれば、TVOCを構成する物質群としてのテルペン類の寄与は、傾斜配分によって当然低くなるであろうし、これらの研究は、リスク評価に基づいたTVOC指針値設定を行うための今後の課題のひとつとして、報告書にも明記しているところです。なおその間、本検討会で扱う対象となる物質が全て、生活環境中に存在する濃度で人体に悪影響を及ぼす汚染物質であるとの誤解が生じないよう、報告書の記載内容を工夫致します。
記載のページは、以下の通りです。
http://www1.mhlw.go.jp/topics/bosyuu/tp1215-2_13.html

 柑橘類森林浴で得られるよい香りの成分、きのこの苦味などのテルペン類も、植物の防御、外敵から身を守る為の成分であったようです。当然取り入れが過剰になれば人にとっても害になるわけです。リラックス効果、その他の有用な生理作用を知って適度に取り入れていくことが望まれるのです。これからは、柑橘類きのこ類がぞくぞくと登場してきます。旬の食材が健康維持に大切な働きをしているようです。

 

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