・浅草海苔Asakusa laver あさくさのり
ウシケノリ科、長円形、帯状のひだのある薄い膜質の褐色をした紅藻類。成長すると長さ5~20cm、幅5cmになる。奈良時代以前より食用とし浅草川河口に自生していた海苔を加工していたことから名前がついたといわれる。
日比谷は以前海で海苔の採取がおこなわれていたことからの地名で、ヒビは、海苔を育てるための海に立てた竹などのことをいう。
食感は、軟らかく、甘味、旨み、香りがあり、汁物でとろける。以前は、淡水でも育ち東京湾河口付近の海域で盛んに栽培養殖していたが葉体が弱く病気にやられやすいことから、栽培が容易なすさび海苔に殆どが代わっている。
摘み取った海苔を細かく刻みすいて乾燥させ板状(板のり)にし食用とするのは日本独特の利用法といわれる。
糖質の主成分としてガラクタンGalactan(整腸作用)を含む。焼き海苔が緑色をしているのは、含まれるフィコシアニンPhycocyanin(色素たん白質)が加熱により生成され、もともと含むクロロフィルの緑色と合わさることによる。古くなったり湿気に合うと、フィコシアニンがフィコエリスリンPhycoerythrin(酸性で赤、アルカリ性で青に変わる)となり赤くなる。
良質のものは、香り、光沢があり、穴あき、厚さにばらつきのないものがよい。11月より翌年1月初旬に採取した海苔が風味がよく新海苔と呼ばれ2月頃まで取られたものを寒海苔とし旬とする。
香りを生かし海苔巻、軍艦巻き、磯辺まき(もち)、刻み海苔とし麺類、お茶漬けに使われる。
ヨード(許容上限摂取量3mg/1日:エネルギー代謝に関与)が乾物で可食量1gとし0.4~4mgと乾燥わかめ0.2mg(200μg)/1g、乾燥昆布2mg(2000μg)/1g程度含む。
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