■14■
「女子大の学園祭に行こう!」ということになり、
コンパで一番感触が良かった「大阪女子短大」に照準を合わせました。
女子寮に電話しました。
上田「あの~、キミヅカ アンズさんお願いします・・」
「そのような人はいませんが・・」
反応の鈍そうな女性が電話に出ました。
上田「そんなワケありません!放送で呼んでください!」
ちょっと時間があり、館内放送がありました。
「キミヅカ・・アンズさん、」
「キミヅカ・・アンズさん、お電話です」
パタパタパタと急ぎ足の足音が聞こえました。
ハアハア言いながら電話に出たのは岸本さんでした。
岸本「ハハハハッ・・上田君やろ?フフフッ・・」
「どうしたの!?フフフッ・・何か?」
岸本さんはやたらと笑っていました。
その傍でも笑い声が聞こえてきます。
上田「アンズちゃんは?」
岸本さんの笑い声は大きくなりました。
岸本「ワハハハハ、ア・・アンズ・・アンズは今お風呂!」
上田「???(まあええか・・)」
「今度の学園祭、行っても迷惑じゃない?」
「じゃあみんなで行きます!!」
上田「明日学園祭行く者!朝10時ロケット広場に集ー合ーっ!!」
『スケコマシ大王』が号令をかけました。
次の朝、
早速「ロケット広場」に向かいました。
ロケット広場周辺に野郎の集団が見えます。
「え~っと、福嶋に、水落君に、・・ん?あれ誰や?」
近づくにつれて「胸騒ぎ」がしました。
「恐竜辻神」が来ていました。
上下黒づくめの服に金の分厚いネックレスは「月の輪熊」を連想させます。
辻神「おうおうおう、遅かったなあ上田君!」
「今日は楽しみやなあ~!」
「ウヒャヒャヒャッ」
・・背筋に悪寒が走りました。
(まあしゃーないか・・)
「よし行くか!」と出発すると、
「お~い、待って~」と細い声が聞こえてきました。
何と!『中卒の丸坊主君』が現れました。
「丸坊主君」はいつも丸坊主でした。
背の低さと赤いほっぺに幼さを感じます。
眉毛が異常に太く、その眉は「北斗の拳」の主人公に似ていました。
辻神に「お前はケンシロウだ!」と言われ、「ケン」とあだ名が付きました。
「ケン」は
大きめのジャケットに羽織られたような格好でした。
こうして「上田モモタロー」は
「恐竜」や「子犬」などのお供を従えて出発するのでした。
近鉄電車で藤井寺を目指します。
電車の中では「辻神」が吊革懸垂をしたり、逆立ちしたりと、動き回っていました。
藤井寺には藤井寺球場があり、もう少し歩くと「短大」に到着です。
短大までもう少しの所で、興奮した「辻神」が「ウォラッ!」と言って
自転車に乗った女子高生をなぎ倒しました。
短大前にはたくさんの自転車がきれいに並んでいました。
興奮した「辻神」が「ソ~~レッ!」と自転車を蹴りました。
自転車はガシャガシャとドミノ倒しで遠くまで倒れました。
短大に着くと「辻神」が一番に走り出しました。
とても広いので、はぐれる事を心配しましたが、
いろんな所で「キャアー!!」と悲鳴が上がるので大体どこに居るか判りました。
岸本さん・アンズちゃんにも無事に再会しました。
岸本「上田君、あのスカーフのかわいい娘どう?」
「あの娘、上田君のことイイって言ってたで~」
上田「えー!?あのかわいい娘が?やったー!」
「それは嬉しいけど・・・」
「やっぱ今日もアンズちゃんやろ~?」
各模擬店に招待されて楽しい一日を過ごしました。
帰る頃になり、どこからともなく「辻神」が現れました。
「辻神」は何故か目を充血させていました。
「上田君・・今日はホンマに有り難うナ・・」
「俺ナ、こんな楽しかったん生まれて初めてや・・」
「ホンマに有り難うナ!」と熱~い手で握手されました。
『どんなこと』して楽しかったのかは聞かなかったが、
「良かったな・・」とだけ言いました。
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