ステロイドバッシングという言葉があるそうで、「絶対ステロイドはイヤ、もうステロイドをやめる!」といわれるアトピー性皮膚炎の患者さんもしばしばいらっしゃいます。
しかし、アトピー性皮膚炎は、なかなか完治しにくく、治ったようにみえて、また悪化したりと、大波小波を繰り返すので 難病さらには強病(ごうびょう)と呼ばれたりしています。
これに対抗するには、多方面からの手段が必要でしょう。
1)ステロイド剤の考え方
皮膚炎症がひどいときは、たとえば燃え盛る火には、とにかく早めの消火が必要です。
また、アトピーなど慢性皮膚炎体質では、絶えず火種がくすぶっている状態(遺伝的にすでに敏感な状態)と考えられ、じょうずにステロイド剤を利用することは、ある面でとても有効とえいるでしょう。
2)養生としての漢方対策、食事対策、スキンケアなど
体質は、
「遺伝的な素因(先天的要因)」がベースになっているとしても、
「食べ物や生活環境(後天的要因)」の積み重ねによって
その環境にあった体を日々創造しています。ですからステロイド療法の一方で、
養生面の対策は必要不可欠。というより当たり前。より健康な肌ができるように、
胃腸を丈夫にし、十分な栄養を摂り込む努力を重ねていくことです。漢方対策は、
偏った体質を、中庸に保つために必要な食べ物(生薬)を選んでいく作業と同じです。
火照っていたら冷ます働きの処方、カサついていたら潤す働きの処方、胃腸が弱っていたら胃腸を元気にする処方・・・などです。
まさに、今日の体調に「なにを食べるか」を考えるのと同じで、食事療法のより積極的なものと考えることができます。欠かせない食生活の改善
当然、日々の食生活がお粗末であっては、話になりません。
いつからアトピー性皮膚炎が増えたのか定かではありませんが、昔は少なかったのですから、規則正しい食生活、素材が生きているもの、添加物が少ないもの、日本人の体質に合っているものなどを意識したほうが良いのではないでしょうか。スキンケア(ステロイドとワセリンだけ、ってことはないはずです。)
普通肌の人でも毎日、ローションやクリームで肌をいたわっているのですから、皮膚トラブルを起こしやすい人はもっと、スキンケアが大切でしょう。
ステロイドを塗る以外にも、肌の潤いを保ったり、血行をよくしたり、ほてりを冷ましたりなどの作用のあるローションやクリームをきめ細かく使用することも重要な養生。
日々肌の状態に応じてアレンジすることも大切。
3)年齢が高くなると治りにくい理由
成長期は、
日々、抵抗力や回復力が増しているので、治す力がアップしています。ある程度の年齢をこえると、
日々老化してゆくのですから、ほっておいて治癒力がアップするはずがありません。
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