漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

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腎について学ぶ・生命をつくる、亀板、鹿茸など

2019-10-03 | 漢方的話題

わたしたちは昔の人より進化して高等だと思いがちだが、中医学を学ぶと、何千年も昔の人のほうが体の働きをよく理解していたのかもしれない、と思う。

というのも、中医学では2000年以上昔から以下のように「腎」の働きが表わさている。

腎は精を蔵し、成長・発育・生殖を主る
腎は水液を主る
腎は骨を主り、髄を生じ、脳に通じる
腎は上は耳に開竅し、下は二陰に開竅し、その華は髪にある
腎は納気を主る

これは、腎臓が体全体の水分やミネラルやたんぱく質などの代謝をコントロールしていて、ホルモン系、神経系、免疫系、骨代謝などにもそのかかわりを見逃せないことが明らかになってきたという「最新」の情報を網羅している。

(亀鹿仙、参茸補血丸などの補腎剤)

「精」とは、
親から受け継いだ生命力とか、ずっとさかのぼって単細胞から分化して人になったその生命としての性(さが)みたいなものを指すと思うが、これは研究すればするほど、分子生物学だったり、発生学だったり、宇宙的なものにも行きつく。
さらに「腎の納気」は、
血中に取り込んだ酸素を個々の細胞のミトコンドリアまで運んでエネルギーを作り出すことを表現しているのではないかと解釈できたりする。

そして「精」は、生まれたときに決まってしまうものでもなく、良く寝て、良く動き、良いものを食べることによって、どんどん増すことができる(特に成長期)、と対策まで明らかにされていて、その生薬の筆頭は「亀板」や「鹿茸」であり「補腎薬」の動物薬として配合されている。

さて、
現代の生活で危ういのは、子供たちまでもが
よく寝ない、よく動かない、バランスの悪い食事(抗生物質やホルモン剤によって育てられた肉類を摂取、および保存料の多い食材、お菓子類が多い)が、「ふつう」になっていること。

良く寝て、良く動き、良いものを食べる
見過ごされがちな養生だが、これで腎精が養われ健康に生きていける、大切なこと。

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