あなたが食べているそれはいったいどのように育ったものか?
現代の野菜や家畜は、収量を追求するあまり、土との関係を絶たれ、ひ弱になり微量ミネラル微量栄養素が極端に減っている。それを食べる人間も慢性炎症を起こしやすく病原菌への抵抗力も落ちている
慢性疾患が増える現代、治療薬よりも食べ物を見直す必要がある
「身土不二」「一物全体・丸ごとを食す」
読むほどに彼らの追求は、中医学の考えに近づいていくのがわかりました。
そして農地は掘り返さず、いつも植物が生えている状態のほうが土壌菌が増えて、生き生きした土になるのだそうです。
以下覚書:
「植物性と動物性のホールフードという雑食性には力がある」
※ホールドフード:加工しないまるごとを食べる
「人はその食べたものなのだ」
「健康で生命に満ちた土壌は、健康で栄養豊富な作物、牧草、家畜を作り、それらはひいては人の健康を支える。この観点で見ると、人間の健康は、あるいはその欠如は、我々が土地をどう扱うかの反映なのだ」
化学肥料、除草剤は穀物のミネラル取り込みに影響し、耕起も菌根菌に影響を及ぼす
作物を過保護にすると 共生菌類との関連がうすくなる
菌糸には無機質を運ぶ能力がある リン、銅、亜鉛、鉄 ファイトケミカルも増やす
ネオニコチノイド(昆虫の神経毒、殺虫剤):植物に残留する
農薬の残留性はニワトリや牛にも認められ、それらのもつ微生物叢を犯していて病原性への罹患性を高めるだろうと言われている
人間が農薬に頼るようになって以来、昆虫、鳥、土壌生物に至るまで殺してしまい「昆虫の大量虐殺が始まってから世界の昆虫の半分が死んだと推定され草原性の鳥類大幅に減少した。両生類の減少も1950年代から急速に始まった。」
土壌生物は激しく減少する
オメガ3脂肪酸は葉緑素に多く存在して光合成に欠かせない。
したがって生の草を食べる牛の乳はオメガ3が多くなり3と6の割合は1:1だが、合成飼料で育つ牛はオメガ6が多くなる。
風味のフイードバック:子宮の中から始まり、生涯を通じて築き上げられる。
母親が食べるものが子どもの食物の嗜好とそれに関係する行動に強く影響する
幼少期から児童期にかけて、有益なあるいは害のない細菌、菌類、その他の微生物の暴露が多いほど後の人生で免疫反応が寛容になる
口の中の甘みと苦みの受容体は、腸内の神経細胞、内分泌細胞、免疫細胞にも散在している
ヒトの皮膚は嗅覚を持っている
苦味受容体は気道に多く存在する
気道組織にある苦味受容体は病原菌を排除する反応を起こす
苦味物質と免疫系の関連性
スーパーテイスター(味覚が敏感な人)の方がコロナに感染しにくく、感染しても軽度であった
長寿ビタミン: エルゴチオネイン ピロロキノリンキノン、キューイン
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膨大な文献と見聞によって書かれたもので、もうお腹いっぱいになる。カタカナや数字が並ぶ文章は横書きで読みたかった。農酪業については素人なので入ってこないところもあったが、土の中の良い環境が食べ物を作り人を育てそしてまた土に帰るという正しい循環を狂わす現代農法は人の命さえ脅かすということは十分わかった。
さて、今夜は何を食べようか。
土と脂 2024年9月発行 What Your Food Ate あなたが食べたものが食べたもの 微生物が回すフードシステム
デイビッドモンゴメリー アンビクレー 著
片岡夏実 訳