それでもボクはやってない スタンダード・エディション [DVD] | |
クリエーター情報なし | |
東宝 |
2016/2/12
・「観る側に恐怖を与える映画」がホラーだとすると、たぶん今まで観た中でトップクラスのホラー映画。
・痴漢冤罪事件で否認を続けたらどうなるかという話。
・現実では被疑者が本当に罪を犯したかどうか誰にもわからない。でも、映画ならわかる。
・その真実に対して、周囲の人々はどのように動くのかを見ていると、ほんとに救われない。
・怖いのは、冤罪被害を受けた主人公が大して愚かな行動をしているわけでもないのに、何ヶ月も拘束され、200万円もの保釈金払わされ、何度も裁判を受け続けなきゃいけないこと。
・これは、要するに自分がいつ当事者になってもおかしくないということ。
・しかも、彼が「特別運の悪い人」にも見えない。それなりにしっかりした友人、母親、弁護士がついている。
・たぶん初期対応を間違えたんだと思うけど、それにしてもひどい。
・前に読んだ『自白の心理学』そのまんまの取調べで説得力がある。あれから何か制度が変わったりしてるんだろうか。
・そこでも書いたけど、無罪の人は無罪の人ゆえの油断がある。知識は必要。
・警察が怖いというより、なにがなんでも有罪にしなきゃいけないというシステムが怖い。
・関係者一人一人はたぶん善良なのに、それぞれの利害を考えると冤罪だろうがなんだろうが有罪にするしかないという感じ。
・真犯人は野放し、無罪の人は有罪。それでも、被告人を有罪にした検察官やテキパキ処理する裁判官が評価され、熟慮の末無罪にする裁判官は左遷される。
・検察側に真犯人を見つけようとする発想がまるでない。
・弁護士は役所公司。『CHICAGO』のリチャード・ギアなみに頼りになりそう。『合言葉は勇気』とはだいぶ違う。
・小日向文世演じる裁判官がもう最悪。特に弁護人の最後の言葉を聞いているところが最悪すぎて「おい!」って言いたくなる。言った。
・143分。基本、長いのは苦手なんだけど、主人公の絶望感を共有するのには必要な時間だった。
・最後の判決と主人公のモノローグを聞いて妙に納得。なるほど、この物語は当然こうなるんだという感じ。
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