僕の借りている家は住宅地にあるんですが、向こう三軒両隣、というか通りの家全部、きれいに芝生がそろっています。というかどこの家もそうなんですね。ここいらは水道料金が安いこともあって、一日おきに水を撒いて芝生を奇麗にしておきます。忘れずに水撒いてさえおけばきれいに生えそろってくれるのでまあ楽といえば楽なんですが。
まだ来たばかりのとき、会社が借りてる寮(ただの大きめの家)にいたんですが、1軒に4人もいてそれぞれ車を持っているので、一番遅く帰ってきた人が駐車スペースがなくて、普通は路駐をするんですがたまたまお向かいも路駐してたので芝生の上に停めたことがありました。そしたら、翌日ワイパーのところに「芝生の上に駐車するな。今度やったら大家に言いつけるぞ」というメモがはさんであった、ということでした。近所の人から注意されたんですね。ちょっとびっくりしました。わざわざ。日本だったら間違いなく路駐の方を注意されますよね。そんなに芝生が大事なんだ、と。
興味があったのでなんでこっちの人が芝生を重要視しているのか、何人かの人に訊いてみたのですが納得できる回答はまだ得られていません。というか、みんなそんなことにはあまり興味がないみたいだ。そうかなあ不思議じゃないですか?何か、ステータスを踏みにじられるような感覚を持っているように思えるのです。そのあたりの感覚が、いまひとつよく掴めません。やっぱ不思議だよね、自分の家には土足で入るのにね。
大分間があきましたが、飲食店続き。
アメリカは基本的には車社会なので、飲酒運転には厳しくて捕まると速攻牢屋行きとなります。でも、もだって、も無し。怖いですね。ただし、白人の人は酒に強いというのがあるのでしょうか、だいたいビール1本くらいを飲んで醒ましてからだと、たとえおまわりさんに止められても問題ありません。いわゆる残留アルコール濃度っていうんですか、の基準が0じゃないんですね。たとえ飲んでいても、基準以下だと「OK、気をつけて帰れよ」基準を超えると「ハイ、ダメ。こっちに乗って」まあハッキリしているといえばそうなんだけど。
そういう社会事情もあって、ちょっと帰りに一杯、というのは電車とかで通っている人じゃないとなかなか気軽にはできません。とはいえ、みんなで夕食に行ったら乾杯のビールくらいは飲みたくなるもの。で、席についてメニュー見て、じゃあ皆さんビールでいいですか?すみませーん飲み物注文いいですか、コロナライト3つと、ハイネケン2つとバドワイザー。
とここまで来て、たまに
「すみません、今お酒ないんです、、、」
と言われることがある。けっこうある。
実は、お酒を出す飲食店は、もしかすると日本でもそうなのかも知れませんが、飲食店免許とは別に酒類販売の免許があるらしいんですね。でまた、これの更新が結構頻繁で、さらにアメリカらしいことにこの手続きが某年金関連省庁の向うを張るくらいお役所仕事。だから、ちゃんと手続き期間を見越して更新申請を出したにも関わらず、免許がない!という状況にしばしばなるのだそうです。
これで無免許酒販なんか見つかった日にゃ、その州でもう一度飲食店を出すのはまず無理でしょう、ってなことになっちゃうんだそうです。お役所仕事のくせにその影響が出たら自己責任なんだよね。で、そうなっちゃ困るので出さない。割を食うのは結局客なんですね。「向いの店で売ってるから、買ってきてもいいよ」なあんて言われるわけです。なんか、アメリカの行政の成り立ち方っていうのが分かるなあ、とか、そういえばここって禁酒法を作った国だったんだっけな、とかいろいろ思います。
実際そうなってみると分かるけど、ビール飲むつもりで夕食に行って、ジャスミンティーで食べるのって結構ストレス発散できないんですよ、これが。
アメリカは移民の国なので、いろんな国の食べ物があります。イタリアン、中華、コリアン、地中海、インド、ペルシア、、、もちろん、日本食も。こっち向けにソフィスティケートされたものもありますが、意外とお国の味らしいお店もあって、日本人のしょう油口に合うかどうかは別にして、本場の味が楽しめるところもあってなかなか良いです。って、日本以外に行ったことないから知らないんですけどね。
ところが、だ。どの店も一つだけ共通点があるんです。量が半端じゃなく多い。いつも行ってるカジュアルなイタリアンは、味の濃さが日本人向けに丁度よくって非常においしいんですが(地区で一番ピザがおいしいお店に選ばれてるところを見ると、やっぱりほかの店の味がしょっぱいんじゃないか?)、パスタがガツンと山盛りに出てくる。お昼に全部食べると午後仕事になりませんってば。だから、会社の人と食べに行くと人数より少なく頼んでシェアしてます。「こいつら東洋人ケチだよな」って絶対思われてるよね。
しかもウチは4人といいながらチビふたりですから、ピザとパスタをひとつずつ頼んで、ピザの余りを持って帰る、という王道コースが出来上がってしまいました。美味しいんだけど、種類が食べれないんだよねえ。
日本食のお店でも、少ないんですが日本のカレーを出すところがあって、よく行ってます。日本だとココイチとか気軽に食べられますが、なかなか無いんですよ。インドカレーは割とあって、それはそれで美味しいんだけど、たまに猛烈にあのカレーが食べたくなって行くんですよね。あとかつ丼。かつ丼を出すところはカレーよりは多い、って感じでしょうか。たまに、甘ーい汁がかけてあって台無し、なんてこともあります。そしてやっぱり、多い。感覚としては、ラーメンのどんぶりくらいの鉢にかつ丼ドーン。食いきれるかっつーの。
でもね、勿体ないからつい食べちゃうの。だから、日本人はアメリカに来て太って帰るんですね(言い訳)
まあアメリカに限らない事かと思いますが、こちらには風呂がありません。
いちおう、バスタブはあるんですが、例のアレ、ホテルとかの浅ーいやつ。肩まで浸かれないのね。そんでシャワー。横に洗面台とトイレ。体洗う所ないじゃーん、って思いますよね。バスタブの中で洗うんです。ちなみにBathroomって語としてはどちらかというとトイレに近くて、不動産物件で「2 bathrooms」っても片方はただのトイレだったりします。また、ショッピングセンターなんかでトイレ借りるときに「Where's bathroom?」って言い方もします。
気になって調べてみたことがあるんですが、と言ってもそんなに本気で調べたわけではないですが、中世の頃、何かの理由でキリスト教的に「湯に浸かるなんていけない事だ」ということになって、文化的に忌避されるようになったらしいですよ。ってこんなじゃなんだかさっぱり分かんないけど。とにかく昨日今日の好き嫌いじゃなくて、ずっと昔から「ダメなこと」って意識みたいなんです。そりゃそうだよな、そうじゃなかったらあんな気持ちのいいもの誰一人やらないなんてオカシイですよ。
ってやっぱりこちらの人でもそう思う人がいて、銭湯をやっているところがありました。っても、個室に体を洗うシャワーと桧の湯船がある時間貸し風呂って感じ。衛生上うるさいんでしょうね、お湯はプールの水みたいにカルキ臭かったけど、久し振りに肩までつかるお風呂。なかなかよかったですよ。
でも、「ジャグジー付」とかいうホテルを探して泊まってみても、ホテルの中のスポーツジムの隅っこに温水プールがついてるだけだったり。風呂ってのは水着で入るもんじゃないんですよ、って支配人呼んできて小一時間説教したくなります。スイートで部屋の中にジャグジーがあるような凄い部屋だと、裸で入り放題ですけどね。あー、北海道の硫黄臭い温泉に行きたいなあ・・・
盆暮れ正月は会社が休みになる日本と違って、アメリカでは年末年始の休暇がありません。いちおうクリスマスは土日につけて休みにすることが多いんですが、今年も大みそかまで仕事。うううぅぅぅ~
でも、街ではNew Year Eveっていって、パレードとかコンサートとか色々出し物をしてるみたい。マンハッタンでは恒例のカウントダウンもやるみたいだし。日本では年末には「よいお年を」で明けて「明けましておめでとうございます」ですが、英語だと両方とも「Happy New Year!」なんですね。この時期有給を付けて実家に帰る人も多く、オフィスは人口密度が半分くらいに減っちゃってますけど、現地人の社員とか入口の守衛さんとかにも「Happy New Year!」と言い合って帰るのって、これはこれで悪くないです。英語は「Happy」とか「Great」とか大袈裟ですが、慣れてみると言霊の力を頼って言って元気になろうみたいなポジティブさが感じられていいですね。
それでは、Happy New Year!