縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

ワインと和食と小田原(後編)

2007-11-12 22:38:16 | おいしいもの食べ隊
 その翌日(ずいぶん間が開いてしまったが、『ラ・クロシェット・ドール』に行った翌日である。詳しくは6/16の前編参照)の昼、『未能一(みのいち)』という店にランチを食べに行った。
 前日、夜遅かったので、二人とも寝坊してしまった。遅い朝食を取るか、それとも昼食を早めるか、そのとき最近出た『danchu』(2007/5)のことを思い出した。特集は「日本一おいしい街 銀座 美食案内」。そうだ、銀座に和食を食べに行こう、ということになった。昨日は洋食(というかワインとつまみ)、今日は爽やかに和食がいい。

 『未能一』は以前から目を付けていた店だった。『danchu』で7、8軒紹介されていた和食店の中で、見た感じがおいしそうだったし、値段もそこそこ。夜はちょっと厳しいが、昼ならなんとか手が届く値段である。幸い土曜日もやっている。
 後で知ったのだが、土曜日、それも当日の予約は通常はほとんど無理らしい。小さな店なので2、3組ですぐ満員になってしまうし、又、何かの都合で休むこともあるらしい。我々は運が良かったのである。

 店はカウンター4席と座敷。10人程度で満員になるこじんまりした店だ。ご夫婦2人で切り盛りしている。お二人とも60代だろうか、実直そうなご主人と暖かい女将さんである。昼はおまかせのコースのみで5,000円。我々はカウンターに座った。
 
 さて、肝心の料理であるが、申し訳ない、もう4、5ヶ月も前の話なので何を食べたかよく覚えていない。ただ覚えているのは、どの料理も手間を惜しまず丹念に作った料理だな、洗練された日本料理だな、ということ。因みに、『danchu』はこの店を「旨いものを食べ尽くした銀座の旦那衆の辿り着いたパラダイス」と紹介している。確かに旨い。店の場所や雰囲気から、我々のような若造には敷居の高い店に見えるが、皆さんも一度勇気を出して暖簾をくぐってみては如何だろう。

 以上でワインと和食の話は終わり。最後の小田原の話。この小田原話がなかったら、『ラ・クロシェット・ドール』も『未能一』も書くことはなかったかもしれない。たまたま続けて訪れた2軒の店、それもワインと和食でタイプのまったく違う店に意外な関係があったこと、そして小田原の人の美食を追い求める姿勢に敬服した(?)ことが、これを書くきっかけになったのである。

 ご主人から、以前はこのビルのオーナーが経営していた『未能一』という店で働いていたこと、その後独立し小田原に店を持ったこと、昨年ここに帰ってきたこと(フロアーは変わったが)、その際オーナーの号である『未能一』という名前を頂いたこと、等を聞いた。
 小田原? そういえば昨夜のワインの店も以前は小田原にあったとのこと。「実は ~ 二日続けて小田原なんて偶然ですね。」と、その旨話したところ、「ああ、3丁目の○○ビルの店ね。知ってますよ。」との答え。えっ、ご主人、和食の方だし、このお年だし、ワインなんか全然飲みそうにないのに、それにお店だって離れているのに(注:『未能一』は銀座8丁目にある)、どうしてあんなマニアックな店知ってるの? 繋がりがわからない。
 
 答えは簡単だった。小田原のお客さんである。馴染みのお客さんが銀座に移ってからも訪ねて来るとのことで、そうしたお客さんの中に『ラ・クロシェット・ドール』のお客さんがいた、つまり、小田原時代の二つの店を知る人がいたのである。ご主人はその方達からよく話を聞かされたそうだ。恐るべし小田原。小田原グルメの底力を感じた。
 
 「なーんだ、もったいぶった割には詰まらない話だな。」と思われた貴方、実際、自分で経験してみるとおもしろいですよ。ちょっとした偶然に感謝!