袴田事件をご存じですか。
半世紀以上前に起きた強盗殺人放火事件で、袴田巌さんが、無実の罪に問われた事件です。一貫して無罪を主張する袴田さんに、ついに静岡地裁は再審決定を宣言し、死刑執行を停止、即日釈放しました。ところがあろうことか、検察は東京高裁へ異議申し立てをし、再審開始決定は取り消されてしまいます。現在再審請求の裁判は最高裁に移っています。ただ袴田さんは釈放状態が続いていますが、50年近くの獄中生活の後遺症、拘禁症状が続いたままです。
そんな袴田さんに寄り添い見守り続けているのがお姉さんのひで子さんです。この漫画は多くの試練にもめげないで明るく闘うひで子さんの物語です。
朝日新聞とともに月に2回、多摩地域のタウン誌「アサココ」が我が家には届けられます。地域で開催されるギャラリーや講座・集会、コンサートなどの情報、様々な活動について幅広く掲載されています。
昨年、袴田事件のことが取り上げられ、ひで子さんが紹介されました。その時に『デコちゃんが行く-袴田ひで子物語』が読者プレゼントされるというので応募したところ、なんと当選してしまったのです。袴田事件応援CDも付いてきました。
清瀬・くらしと平和の会でも冤罪に関する映画(ブログ掲載済み)の上映会を行ってひで子さんのお話をうかがったこともありました。私たちに何ができるか考えているところです。
■『デコちゃんが行く-袴田ひで子物語』いのまちこ編、たたらなおき漫画、静岡新聞社、2020/5/1(アマゾンより)
これは、袴田巖さんの姉・ひで子さん誕生から現在までを描いた漫画です。「死刑囚の姉」「弟の無罪のため闘う姉」、テレビのニュースに映る袴田ひで子さんとはどんな人なのか、多くの人が関心を持っています。その一人である著者が、湧いた興味から袴田家を訪れ、親密になるに至り知った見事な彼女の人生物語です。
「デコちゃん」、昔から彼女はそう呼ばれていました。その気丈な姿は多くの人が知るところです。ひで子さん、その人となりにまず驚くのは、裁判の支援者や報道陣です。「いや~、元気もらいました」、取材後は、必ずというほど驚きの声をあげます。
でも、それは序の口。これまで語られなかった事が山ほどあります。もっと、もっと、みなさんに元気を届けましょう。この複雑で閉塞感のある現代で生きるのに疲れてしまった人たち、ダウンしている人たち。そういう方にこそ彼女を知ってほしい。どんな困難が襲ってきてもへこたれず、なにくそ前を向いて前進する逞しいデコちゃん、それをしまい込んでいるのはもったいない。そういう思いから、『デコちゃんが行く』は出版されました。
◆未来への責任 鎌田 慧(ルポライター)
地震大国であるにもかかわらず原発54基、ふげん、もんじゅ、
使用済み核燃料再処理工場など日本列島に並べ建て、建設中が
まだ3基。
自然と人間に大打撃を与えた大事故を発生させても誰も責任取ろう
としない「原発無責任国家」。
原発立地地域に逃げ場がないと、水戸地裁が東海第二運転差し止め
命令。脱原発への号砲となろう。
原発は10万年後にも厄災がおよぶ、出口なしの錯誤だ。破壊された
フクシマ3基の燃料デブリは880トン。いつ取り出せるか分からない。
「使用済み核燃料は再処理する」というが、六ケ所村の工場の運転は
2008年に事故で停止、復旧の見通しはまったくない。
結局、核廃棄物の最終処分場の候補地として、北海道の寿都町と
神恵内村が暫定的に挙げられている。
いくつかの候補地を示す陽動作戦は、推進側の常套手段。反対派の
当面の運動課題はとにかく原発廃炉だ。が、その後にも責任がある。
地球科学者で京大元学長の尾池和夫さんは、「核のゴミ」を「人類
最大の負の遺産」といい、南鳥島への「格納」を提案。
本州から1800キロ、面積1.5平方キロ、の小島だ。
マグマ活動が完全に終わっており、「世界でも最も安定した海洋
プレート上にある日本国土」「唯一の期待できる選択」との折り紙
付き(学士会会報、20年3月)。
政府がこの事実を知らないはずはない。
(4月6日東京新聞朝刊25面「本音のコラム」より)
半世紀以上前に起きた強盗殺人放火事件で、袴田巌さんが、無実の罪に問われた事件です。一貫して無罪を主張する袴田さんに、ついに静岡地裁は再審決定を宣言し、死刑執行を停止、即日釈放しました。ところがあろうことか、検察は東京高裁へ異議申し立てをし、再審開始決定は取り消されてしまいます。現在再審請求の裁判は最高裁に移っています。ただ袴田さんは釈放状態が続いていますが、50年近くの獄中生活の後遺症、拘禁症状が続いたままです。
そんな袴田さんに寄り添い見守り続けているのがお姉さんのひで子さんです。この漫画は多くの試練にもめげないで明るく闘うひで子さんの物語です。
朝日新聞とともに月に2回、多摩地域のタウン誌「アサココ」が我が家には届けられます。地域で開催されるギャラリーや講座・集会、コンサートなどの情報、様々な活動について幅広く掲載されています。
昨年、袴田事件のことが取り上げられ、ひで子さんが紹介されました。その時に『デコちゃんが行く-袴田ひで子物語』が読者プレゼントされるというので応募したところ、なんと当選してしまったのです。袴田事件応援CDも付いてきました。
清瀬・くらしと平和の会でも冤罪に関する映画(ブログ掲載済み)の上映会を行ってひで子さんのお話をうかがったこともありました。私たちに何ができるか考えているところです。
■『デコちゃんが行く-袴田ひで子物語』いのまちこ編、たたらなおき漫画、静岡新聞社、2020/5/1(アマゾンより)
これは、袴田巖さんの姉・ひで子さん誕生から現在までを描いた漫画です。「死刑囚の姉」「弟の無罪のため闘う姉」、テレビのニュースに映る袴田ひで子さんとはどんな人なのか、多くの人が関心を持っています。その一人である著者が、湧いた興味から袴田家を訪れ、親密になるに至り知った見事な彼女の人生物語です。
「デコちゃん」、昔から彼女はそう呼ばれていました。その気丈な姿は多くの人が知るところです。ひで子さん、その人となりにまず驚くのは、裁判の支援者や報道陣です。「いや~、元気もらいました」、取材後は、必ずというほど驚きの声をあげます。
でも、それは序の口。これまで語られなかった事が山ほどあります。もっと、もっと、みなさんに元気を届けましょう。この複雑で閉塞感のある現代で生きるのに疲れてしまった人たち、ダウンしている人たち。そういう方にこそ彼女を知ってほしい。どんな困難が襲ってきてもへこたれず、なにくそ前を向いて前進する逞しいデコちゃん、それをしまい込んでいるのはもったいない。そういう思いから、『デコちゃんが行く』は出版されました。
◆未来への責任 鎌田 慧(ルポライター)
地震大国であるにもかかわらず原発54基、ふげん、もんじゅ、
使用済み核燃料再処理工場など日本列島に並べ建て、建設中が
まだ3基。
自然と人間に大打撃を与えた大事故を発生させても誰も責任取ろう
としない「原発無責任国家」。
原発立地地域に逃げ場がないと、水戸地裁が東海第二運転差し止め
命令。脱原発への号砲となろう。
原発は10万年後にも厄災がおよぶ、出口なしの錯誤だ。破壊された
フクシマ3基の燃料デブリは880トン。いつ取り出せるか分からない。
「使用済み核燃料は再処理する」というが、六ケ所村の工場の運転は
2008年に事故で停止、復旧の見通しはまったくない。
結局、核廃棄物の最終処分場の候補地として、北海道の寿都町と
神恵内村が暫定的に挙げられている。
いくつかの候補地を示す陽動作戦は、推進側の常套手段。反対派の
当面の運動課題はとにかく原発廃炉だ。が、その後にも責任がある。
地球科学者で京大元学長の尾池和夫さんは、「核のゴミ」を「人類
最大の負の遺産」といい、南鳥島への「格納」を提案。
本州から1800キロ、面積1.5平方キロ、の小島だ。
マグマ活動が完全に終わっており、「世界でも最も安定した海洋
プレート上にある日本国土」「唯一の期待できる選択」との折り紙
付き(学士会会報、20年3月)。
政府がこの事実を知らないはずはない。
(4月6日東京新聞朝刊25面「本音のコラム」より)