上記のような長いタイトルの請願を連れ合いが出しました。やむにやまれぬ請願です。請願文もかなり長いのですが最後まで読んでくださると嬉しいです。この請願は、近々、東京・清瀬市議会、福祉健康委員会で論議されます。傍聴歓迎です。実際は10:30頃開始になりそうです。
《2017年3月15日(水)10:00~、清瀬市役所・福祉健康委員会、4階》
福島原発事故による県民健康調査を縮小することなく今後も継続していくよう福島県に求める請願
紹介議員 ふせ由女
<請願の理由>
福島県は昨年3月までに子どもたちの甲状腺検査を二巡行ってきました。その結果は第16回[資料1]、及び第25回福島県「県民健康調査検討委員会」[資料2]で以下のように報告されており(平成28年度スタートの三巡目検査はまだ半ばで全部の結果が報告されていません)、平成28年9月30日現在までに172名の子どもたちが「悪性ないし悪性の疑い」と診断され、102名の子どもたちが手術を受けて、そのうち良性だった子どもは一人だったと書かれています。
[資料1]平成26年8月24日 第16回福島県「県民健康調査」検討委員会資料より
一巡目の「甲状腺検査(先行検査)」結果概要【暫定版】
平成23年度~25年度 (ただし、平成26年6月30日まで延長)
対象者367,707人のうち296,026人受診(受診率80.5%)※震災当時11-18歳
<一次検査>
│判定内容 │A1判定 │A2判定 │A判定合計 │B判定 │C判定 │
│人数 │152,389人 │141,063人 │293,452人 │2,236人 │1 人 │
│割合 │(51.5%) │(47.7%) │99.2% │0.8% │0.0% │
※A判定:次回の検査まで経過観察
A1:結節やのう胞を認めなかった場合。
A2:5.0mm以下の結節や20.0mm以下ののう胞を認めた場合。
B判定:5.1mm以上の結節や20.1mm以上ののう胞を認めた場合。→二次検査実施
C判定:甲状腺の状態などからしてただちに二次検査を要する場合。→二次検査実施
<二次検査 (B判定対象)>
│悪性ないし悪性の疑い104人 (手術58人:良性結節1人、乳頭癌55人、低分化癌2人) │
[資料2]平成28年12月27日 第25回福島県「県民健康調査」検討委員会資料より
二巡目の「甲状腺検査【本格検査(検査2回目)】結果概要
平成26年~27年度 対象者381,282人のうち270,454人受診(受診率70.9%)
<一次検査>
│判定内容 │A1判定 │A2判定 │A判定合計 │B判定 │C判定 │
│人数 │108,675人 │159,534人 │268,209人 │2,222人 │0人 │
│割合 │40.2% │59.0% │99.2% │0.8% │0.00% │
<二次検査 (B判定対象)>
│悪性ないし悪性の疑い68人 (手術44人:乳頭癌43人、その他の甲状腺癌1人) │
※この表は、もっと細かな検討委員会資料の表から福田の責任で一部を取りだしたものである。なお、A1判定とA2判定の割合は福田が付け加えた。
※文章中の「がん」はひらがなで書いたが、県民健康調査の資料は「癌」と書かれていたので、漢字を使った。
この甲状腺検査に関する資料の「実施期間」には、「その後は、対象者が20歳を越えるまでは2年ごと、それ以降は25歳、30歳等の5年ごとの節目健診により、長期にわたり検査を実施する。ただし、25歳時の検査までは5年以上空けないこととする。」と書いてあります。
しかし、昨年8月8日の福島民友新聞は、「甲状腺検査見直し議論へ 対象者縮小も視野」という記事を載せました。太神(おおが)太神(おおが)和広・福島県小児科医会長の意見は「潜在がんを見つけているだけ。希望者だけを対象に。」、星 北斗・福島県民健康調査検討委員会座長は「今後の在り方について、すぐにでも議論を始めるべき。検査を受けない選択肢も。高校を卒業した子をどこまで深追い? 小児科医の意見を大切に。」(註:1)と話したというものでした。
第一巡目の先行検査で結節やのう胞が認められなかったA1判定の子どもたちの約半数が二巡目の本格検査ではA2に進みました(註:2)。2年前にはなかった結節やのう胞が次の検査で認められ、手術を受けた子どもの75%はリンパ節に転移(註:3)していたそうです。一般に小児の甲状腺がんの発生は100万人当たり1~3人といわれているそうです(註:4)。その計算で考えれば福島の発生率ははるかに高率です。
※註1~3:「これからますます甲状腺がん増えるのに福島の甲状腺検診を縮小??」(放射線ひばくを 学習する会発行)による。 註4:日本臨床検査薬協会ホームページによる。
こうした検査結果から被曝した多くの人たちが子どもたちの健康について不安を抱いています。だからといって「不安をあおるので検査は縮小」という意見に対しては「3.11甲状腺がん家族の会」などを中心に強く反対する要望書が出されています。
なぜなら未だ原発事故は収束しておらず、日々汚染水や空気中に放射能は出され続けているからです。2011年4月4日現在でも1時間当たり2900億ベクレルのセシウム134、セシウム137が放出されていたことが東京電力の記者会見で明らかにされています。福島原発の処理に大きな進展は見られず、その後6年間にわたって強い放射能が日々出続けているのです。事故後も福島に住み続ける人、他県等に避難している人々、子ども、大人にも、被曝した人々全員の健康を見守り、治療を保証することが国と県の何よりの努めではないでしょうか。それを縮小するというのはどういうことなのか理解できません。
こうして5年間続けてきた甲状腺検査は、今後、世界中の人々にチェルノブイリと併せて予防・治療の指標の一環となるものです。一端検査規模を希望者だけに縮小してしまえば、「心配になった人だけが受けた検査だから」と、統計資料として成立しにくくなってしまいます。私たちは、被曝された方々と共に、何よりも進行の早い子どもたちのがんを早期発見して命を守り、今後の検査がきちんと継続されて、甲状腺がんと福島原発事故との関係を考察できる資料となることを強く願うものです。
以上のことから清瀬市が福島県に当初の計画を縮小することなく、甲状腺検査を継続していっていただくよう要望するように請願いたします。
2017年2月23日
清瀬市議会議長
渋谷のぶゆき様
清瀬・憲法九条を守る会 福田 緑
こうした請願の背景には、下掲のような学習会を開いたということがあります。フクシマから6年が経過して、ますます見過ごせない問題が起こってきているのです。「アンダーコントロール」などと公言したのはどこの誰でしたっけ。
《2017年3月15日(水)10:00~、清瀬市役所・福祉健康委員会、4階》
福島原発事故による県民健康調査を縮小することなく今後も継続していくよう福島県に求める請願
紹介議員 ふせ由女
<請願の理由>
福島県は昨年3月までに子どもたちの甲状腺検査を二巡行ってきました。その結果は第16回[資料1]、及び第25回福島県「県民健康調査検討委員会」[資料2]で以下のように報告されており(平成28年度スタートの三巡目検査はまだ半ばで全部の結果が報告されていません)、平成28年9月30日現在までに172名の子どもたちが「悪性ないし悪性の疑い」と診断され、102名の子どもたちが手術を受けて、そのうち良性だった子どもは一人だったと書かれています。
[資料1]平成26年8月24日 第16回福島県「県民健康調査」検討委員会資料より
一巡目の「甲状腺検査(先行検査)」結果概要【暫定版】
平成23年度~25年度 (ただし、平成26年6月30日まで延長)
対象者367,707人のうち296,026人受診(受診率80.5%)※震災当時11-18歳
<一次検査>
│判定内容 │A1判定 │A2判定 │A判定合計 │B判定 │C判定 │
│人数 │152,389人 │141,063人 │293,452人 │2,236人 │1 人 │
│割合 │(51.5%) │(47.7%) │99.2% │0.8% │0.0% │
※A判定:次回の検査まで経過観察
A1:結節やのう胞を認めなかった場合。
A2:5.0mm以下の結節や20.0mm以下ののう胞を認めた場合。
B判定:5.1mm以上の結節や20.1mm以上ののう胞を認めた場合。→二次検査実施
C判定:甲状腺の状態などからしてただちに二次検査を要する場合。→二次検査実施
<二次検査 (B判定対象)>
│悪性ないし悪性の疑い104人 (手術58人:良性結節1人、乳頭癌55人、低分化癌2人) │
[資料2]平成28年12月27日 第25回福島県「県民健康調査」検討委員会資料より
二巡目の「甲状腺検査【本格検査(検査2回目)】結果概要
平成26年~27年度 対象者381,282人のうち270,454人受診(受診率70.9%)
<一次検査>
│判定内容 │A1判定 │A2判定 │A判定合計 │B判定 │C判定 │
│人数 │108,675人 │159,534人 │268,209人 │2,222人 │0人 │
│割合 │40.2% │59.0% │99.2% │0.8% │0.00% │
<二次検査 (B判定対象)>
│悪性ないし悪性の疑い68人 (手術44人:乳頭癌43人、その他の甲状腺癌1人) │
※この表は、もっと細かな検討委員会資料の表から福田の責任で一部を取りだしたものである。なお、A1判定とA2判定の割合は福田が付け加えた。
※文章中の「がん」はひらがなで書いたが、県民健康調査の資料は「癌」と書かれていたので、漢字を使った。
この甲状腺検査に関する資料の「実施期間」には、「その後は、対象者が20歳を越えるまでは2年ごと、それ以降は25歳、30歳等の5年ごとの節目健診により、長期にわたり検査を実施する。ただし、25歳時の検査までは5年以上空けないこととする。」と書いてあります。
しかし、昨年8月8日の福島民友新聞は、「甲状腺検査見直し議論へ 対象者縮小も視野」という記事を載せました。太神(おおが)太神(おおが)和広・福島県小児科医会長の意見は「潜在がんを見つけているだけ。希望者だけを対象に。」、星 北斗・福島県民健康調査検討委員会座長は「今後の在り方について、すぐにでも議論を始めるべき。検査を受けない選択肢も。高校を卒業した子をどこまで深追い? 小児科医の意見を大切に。」(註:1)と話したというものでした。
第一巡目の先行検査で結節やのう胞が認められなかったA1判定の子どもたちの約半数が二巡目の本格検査ではA2に進みました(註:2)。2年前にはなかった結節やのう胞が次の検査で認められ、手術を受けた子どもの75%はリンパ節に転移(註:3)していたそうです。一般に小児の甲状腺がんの発生は100万人当たり1~3人といわれているそうです(註:4)。その計算で考えれば福島の発生率ははるかに高率です。
※註1~3:「これからますます甲状腺がん増えるのに福島の甲状腺検診を縮小??」(放射線ひばくを 学習する会発行)による。 註4:日本臨床検査薬協会ホームページによる。
こうした検査結果から被曝した多くの人たちが子どもたちの健康について不安を抱いています。だからといって「不安をあおるので検査は縮小」という意見に対しては「3.11甲状腺がん家族の会」などを中心に強く反対する要望書が出されています。
なぜなら未だ原発事故は収束しておらず、日々汚染水や空気中に放射能は出され続けているからです。2011年4月4日現在でも1時間当たり2900億ベクレルのセシウム134、セシウム137が放出されていたことが東京電力の記者会見で明らかにされています。福島原発の処理に大きな進展は見られず、その後6年間にわたって強い放射能が日々出続けているのです。事故後も福島に住み続ける人、他県等に避難している人々、子ども、大人にも、被曝した人々全員の健康を見守り、治療を保証することが国と県の何よりの努めではないでしょうか。それを縮小するというのはどういうことなのか理解できません。
こうして5年間続けてきた甲状腺検査は、今後、世界中の人々にチェルノブイリと併せて予防・治療の指標の一環となるものです。一端検査規模を希望者だけに縮小してしまえば、「心配になった人だけが受けた検査だから」と、統計資料として成立しにくくなってしまいます。私たちは、被曝された方々と共に、何よりも進行の早い子どもたちのがんを早期発見して命を守り、今後の検査がきちんと継続されて、甲状腺がんと福島原発事故との関係を考察できる資料となることを強く願うものです。
以上のことから清瀬市が福島県に当初の計画を縮小することなく、甲状腺検査を継続していっていただくよう要望するように請願いたします。
2017年2月23日
清瀬市議会議長
渋谷のぶゆき様
清瀬・憲法九条を守る会 福田 緑
こうした請願の背景には、下掲のような学習会を開いたということがあります。フクシマから6年が経過して、ますます見過ごせない問題が起こってきているのです。「アンダーコントロール」などと公言したのはどこの誰でしたっけ。