今回は〔21〕の続編です。
前回で、ラボ・パーティの概要がおわかりいただけたかと思います。1週間に一度、年齢によってグループに分かれることはありますが、幼児から大学生までがチューター(指導者)のもと(パーティ)に集まってきます。つまり異年齢の学びの場というのがこのラボの大きな特徴です。考えてみればこれは凄いことです。子どもによっては20年近く在籍するということがありうるわけです。日常的には「テーマ活動」がその中心で、非日常的な活動としてキャンプや国際交流があるということです。
それでは「テーマ活動」とはどんなことをするのでしょうか。実はこの活動がラボ独特のもので、とてもユニークで興味深い活動なのです。前回取り上げた『大人になったピーター・パン』に再度登場してもらいましょう。
ラボでは、外国語を母語とのかかわりのなかで、いかに生き生きと体験するか、その体験の蓄積により外国語をいかに母語の習得に近いかたちで獲得していくかを追求してきた。
家庭でラボ物語ライブラリーを聴いている子どもたちは、週一回ラボ・テューターのもとに集まり、グループ活動に参加する。子どもたちは、物語のテーマを話し合い、イメージを広げ、その世界をことばと身体で表現していく。その活動を、ラボではテーマ活動と呼んでいる。グループの仲間(異年齢構成)の輪のなかで、子どもたちはのびやかに母語とともに外国語を体験していく。(315ページ)
テーマ活動に入る前に、多くのパーティで取り組まれているのに「ソングバード」いうのがあります。これはマザー・グースを中心とした歌のラボ・ライブラリーです。歌にあわせて子どもたちが、踊り、遊び、ゲームをするといったもののようです。こらはまさに、身体表現のウォーミングアップといったものになっています。
パーティ参観をするようになって、テーマ活動の特徴が少しずつ見えてきました。
⑴出演するラボっ子たちは、ほぼ全員出ずっぱりで、役についたり、背景や状況を身体表現する。登場人物の心象風景も表現することもある。
⑵基本的には、衣装や大小道具、背景などは使用しない。音楽はCDで頻繁に使われる。
⑶テーマ(物語)決定、役決め、演出などのテーマ活動づくりにはラボっ子が大きく関わってくる。
「衣装や大小道具、背景などは使用しない」舞台を見て私が真っ先に思いだしたのは演出家の関矢幸雄さんが唱えている「素劇」でした。おもに児童劇にこの手法を生かしていましたが、ここでは音楽も使わないことが多かったようです。ただ、ラボではこの⑵の方法を子どもたちで発見し、編み出したことに驚くのです。
テーマ活動づくりでは、テューターは一歩退いてラボっ子たちを見守っているように感じるのですが、長いパーティ活動のなかから自分たちでそれを創り出す力量を培われているのでしょう。中高大生といった大きな子たちとテューターのミーティングがとても大切にされていました。
そして、幼児が2,3時間の練習に当たり前のように参加しています。それを支える、高大生たちの「集団指導体制」が見事です。それらを大きく包み込むテューターの存在が眩しく輝いています。
「物語を全身全霊で遊ぶ」テーマ活動はまさに地域の優れた演劇教育活動なのです。
前回で、ラボ・パーティの概要がおわかりいただけたかと思います。1週間に一度、年齢によってグループに分かれることはありますが、幼児から大学生までがチューター(指導者)のもと(パーティ)に集まってきます。つまり異年齢の学びの場というのがこのラボの大きな特徴です。考えてみればこれは凄いことです。子どもによっては20年近く在籍するということがありうるわけです。日常的には「テーマ活動」がその中心で、非日常的な活動としてキャンプや国際交流があるということです。
それでは「テーマ活動」とはどんなことをするのでしょうか。実はこの活動がラボ独特のもので、とてもユニークで興味深い活動なのです。前回取り上げた『大人になったピーター・パン』に再度登場してもらいましょう。
ラボでは、外国語を母語とのかかわりのなかで、いかに生き生きと体験するか、その体験の蓄積により外国語をいかに母語の習得に近いかたちで獲得していくかを追求してきた。
家庭でラボ物語ライブラリーを聴いている子どもたちは、週一回ラボ・テューターのもとに集まり、グループ活動に参加する。子どもたちは、物語のテーマを話し合い、イメージを広げ、その世界をことばと身体で表現していく。その活動を、ラボではテーマ活動と呼んでいる。グループの仲間(異年齢構成)の輪のなかで、子どもたちはのびやかに母語とともに外国語を体験していく。(315ページ)
テーマ活動に入る前に、多くのパーティで取り組まれているのに「ソングバード」いうのがあります。これはマザー・グースを中心とした歌のラボ・ライブラリーです。歌にあわせて子どもたちが、踊り、遊び、ゲームをするといったもののようです。こらはまさに、身体表現のウォーミングアップといったものになっています。
パーティ参観をするようになって、テーマ活動の特徴が少しずつ見えてきました。
⑴出演するラボっ子たちは、ほぼ全員出ずっぱりで、役についたり、背景や状況を身体表現する。登場人物の心象風景も表現することもある。
⑵基本的には、衣装や大小道具、背景などは使用しない。音楽はCDで頻繁に使われる。
⑶テーマ(物語)決定、役決め、演出などのテーマ活動づくりにはラボっ子が大きく関わってくる。
「衣装や大小道具、背景などは使用しない」舞台を見て私が真っ先に思いだしたのは演出家の関矢幸雄さんが唱えている「素劇」でした。おもに児童劇にこの手法を生かしていましたが、ここでは音楽も使わないことが多かったようです。ただ、ラボではこの⑵の方法を子どもたちで発見し、編み出したことに驚くのです。
テーマ活動づくりでは、テューターは一歩退いてラボっ子たちを見守っているように感じるのですが、長いパーティ活動のなかから自分たちでそれを創り出す力量を培われているのでしょう。中高大生といった大きな子たちとテューターのミーティングがとても大切にされていました。
そして、幼児が2,3時間の練習に当たり前のように参加しています。それを支える、高大生たちの「集団指導体制」が見事です。それらを大きく包み込むテューターの存在が眩しく輝いています。
「物語を全身全霊で遊ぶ」テーマ活動はまさに地域の優れた演劇教育活動なのです。