「NHKから国民を守る会」登場よりずっと以前から公共放送とは何かということに関心がありました。とりわけ籾井勝人氏がNHK会長になったとき、この国の公共放送はどうなってしまうのか、大いなる疑問を持ったのです。それ以前にNHKはすでに限りなく体制的だと認識していたのですが、保守というよりますます右翼的な色彩を帯びてきたことに危機感を抱きました。
そんなとき手にしたのが松田浩著『NHK 新版』でした。
■『NHK 新版』松田浩、岩波新書、2014年
〔ソデ〕
公共放送の使命とは何か。創立以来最大の「自主・自律」の危機に直面するNHK。権力によるトップ人事支配に「民主主義の危機」と警鐘を鳴らす著者が、構造的要因を解明し、再生への展望を示す。NHK研究歴五〇年の第一人者が、克服すべきすべての課題に鋭くメスを入れる。定評ある前著を全面改訂して問う緊急提言。
この本は私が知りたいことが実にコンパクトにまとめられていました。私が注目する項目だけあげると次のようになります。
*公共放送の役割は「権力監視」か権力のメディア支配か。
*番犬かパートナー犬か。
*独立規制機関を持たず…
*NHKとBBC
*BBCとフォークランド戦争
*戦前からのNHKの体質
*ETV番組改変事件「問われる戦時性暴力」(安倍晋三副官房長官、永田浩三チーフ・プロジューサー))
結論から言えば、公共放送の役割は「権力監視」(番犬)であって、けしてパートナー犬であってはならないと主張しています。イギリスの公共放送BBCとNHKを比較検討したり、NHKの歴史をたどる中で「権力監視」機能の脆弱さを論証していきます。
そんなことを考えていたとき、思い出したのが鎌田慧著『反骨のジャーナリスト』でした。
■『反骨のジャーナリスト』鎌田慧、岩波新書、2002年
〔ソデ〕
独立不羈の言論人・陸羯南、底辺からの告発者・横山源之助、凛然と発言する「新しい女」平塚らいてう、「生涯一記者」を貫いた斎藤茂男…日本の近現代にあって、権力や時代の風調にペンで戦いを挑んだ人々から、十人を取り上げる。時代に迎合せぬ彼らの生き方は、「反骨」を忘れかけた現代のジャーナリズムに鋭く問いをつきつけている。
鎌田さんは「反骨の精神が希薄なジャーナリストを、ジャーナリストと呼べるのかどうか。」と述べ、「ジャーナリズムは、人間の自由と人権を拡幅する削岩機といえるかもしれない。」と書きます。
2冊の本を連続して読むことによって見えてくるのはマスコミの今日的課題でした。
そんなとき手にしたのが松田浩著『NHK 新版』でした。
■『NHK 新版』松田浩、岩波新書、2014年
〔ソデ〕
公共放送の使命とは何か。創立以来最大の「自主・自律」の危機に直面するNHK。権力によるトップ人事支配に「民主主義の危機」と警鐘を鳴らす著者が、構造的要因を解明し、再生への展望を示す。NHK研究歴五〇年の第一人者が、克服すべきすべての課題に鋭くメスを入れる。定評ある前著を全面改訂して問う緊急提言。
この本は私が知りたいことが実にコンパクトにまとめられていました。私が注目する項目だけあげると次のようになります。
*公共放送の役割は「権力監視」か権力のメディア支配か。
*番犬かパートナー犬か。
*独立規制機関を持たず…
*NHKとBBC
*BBCとフォークランド戦争
*戦前からのNHKの体質
*ETV番組改変事件「問われる戦時性暴力」(安倍晋三副官房長官、永田浩三チーフ・プロジューサー))
結論から言えば、公共放送の役割は「権力監視」(番犬)であって、けしてパートナー犬であってはならないと主張しています。イギリスの公共放送BBCとNHKを比較検討したり、NHKの歴史をたどる中で「権力監視」機能の脆弱さを論証していきます。
そんなことを考えていたとき、思い出したのが鎌田慧著『反骨のジャーナリスト』でした。
■『反骨のジャーナリスト』鎌田慧、岩波新書、2002年
〔ソデ〕
独立不羈の言論人・陸羯南、底辺からの告発者・横山源之助、凛然と発言する「新しい女」平塚らいてう、「生涯一記者」を貫いた斎藤茂男…日本の近現代にあって、権力や時代の風調にペンで戦いを挑んだ人々から、十人を取り上げる。時代に迎合せぬ彼らの生き方は、「反骨」を忘れかけた現代のジャーナリズムに鋭く問いをつきつけている。
鎌田さんは「反骨の精神が希薄なジャーナリストを、ジャーナリストと呼べるのかどうか。」と述べ、「ジャーナリズムは、人間の自由と人権を拡幅する削岩機といえるかもしれない。」と書きます。
2冊の本を連続して読むことによって見えてくるのはマスコミの今日的課題でした。