平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

軍師官兵衛 第42回「太閤の野望」~三成、わしを貶めるためにここまでやるか……!

2014年10月20日 | 大河ドラマ・時代劇
「兵糧が一向に届きませぬが、どうなっておられるか?」
「いくさもせず、あることないこと話すおつもりか?」
「讒言するのがお役目か?」
 次々と出て来る三成(田中圭)への詰問。
 日頃の積もり積もった鬱憤が、戦場での劣勢も手伝って、三成にぶつけられる。
 自ら戦わず、戦争を高見の見物をしている三成。

 それに戦争では兵站(物資の補給)は勝敗を分ける重要な要素ですからね、三成の責任は大きい。

 三成は典型的な<官僚タイプ>。
 自分で責任を取ることをしない。
 自分の失敗を他人のせいにして、保身をはかる。
 ライバルを蹴落とそうとする。

 一方、官兵衛(岡田准一)は現場の人間ですからね、官僚の狡猾さにやられてしまったのだろう。
 このことは現在でも同じ?
 官僚はスキャンダルをリークすることで、自分たちに不利益をもたらす政治家を葬ると言われていますが、どうなんでしょう?

 今回の戦争のやり方は、太平洋戦争を見ている感じだ。
①平壌への進軍
 最初は勢いが良くて快進撃。でも、戦線を拡げすぎて次第に後退していく。
②「われらはあまりにも敵を知らなすぎた」
 敵の国力も知らずに無謀な戦争をしかける。詳細な地図もない。
③「兵糧が尽きかけております」
 前線に届かない兵糧と武器。
④派閥争い。
⑤秀吉の現実感のない和睦条件。
 安全な場所にいる戦争指導者と現場のギャップ。
⑥どのように戦争を終わらせるかを考えない戦争指導者。

 脚本・前川さんは完全に<太平洋戦争>を揶揄していますね。

 家康(寺尾聰)の次のせりふも興味深い。
「殿下が夢から覚めるのを待つしかあるまい」
 そうなんですよね、権力者が戦争をする理由って、ほとんどが夢(=幻想)なんですよね。
 大義って言葉もどこかいかがわしい。

 権力者の妄想と官僚の保身・我執。
 こうして民は苦しめられていく。


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2 コメント

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「絵に描いたような」悪役三成 (TEPO)
2014-10-20 20:37:19
>官僚はスキャンダルをリークすることで、自分たちに不利益をもたらす政治家を葬ると言われていますが

小渕優子氏は安倍氏が起用した女性閣僚のうち唯一「極右」色がなく、電力業界に老朽原子炉7基の廃炉判断を促したような人のようです。
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKCN0I60W520141017
小渕氏の政治資金問題を弁護する積もりはありませんが、「ダサい政治」は自民党政治家の本質であり、「叩けば誰でも埃が出る」だろうと思います。
官僚かどうかは分かりませんが、原子力ムラの逆鱗に触れ、「脇が甘い」ところをつけ込まれたような気がします。

>脚本・前川さんは完全に<太平洋戦争>を揶揄していますね。

NHKでもまだこのようなことは許されるのでしょうか。
今のNHKには明確な「報道禁止ルール」が存在することを「タイムズ」紙がすっぱ抜いたそうですが。
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-4207.html
まあニュースとは違い、ドラマ解釈の可能性まではまだ大丈夫ということなのでしょうね。

さて、本作に戻りますがを演じる田中圭さん、お若いにもかかわらず「憎たらしさ」が堂に入ってきたように思います。
同じ敵役でも、どこかに「情」を残していた左京進@金子ノブアキさんに比べ冷徹な迫力を感じます。
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なるほど! (コウジ)
2014-10-21 09:12:10
TEPOさん

いつもありがとうございます。
なるほど、小渕さんの件は経産省や原子力村のリークの可能性があるわけですね。
今、廃炉などを持ち出されたら、電力会社はたちまち経営上の窮地に陥るわけですし。

NHKの「報道禁止ルール」についても情報ありがとうございます。
こんな中、ドラマ制作班やNHK特集の制作班はルールをかいくぐって抵抗しているという感じでしょうか。

田中圭さん演じる三成は、完全に「憎たらしい」悪役になりましたね。
おっしゃるとおり左京進はまだ「そう考えても仕方がないよな」という余地がありましたが、三成の場合は真っ黒。
過去、石田三成は、徳川家康に危機感を抱く、無器用でまっすぐ過ぎる忠臣という形で描かれてきましたが、こういう三成はめずらしいですね。
今作がどう決着をつけ、三成をどう評価するのか楽しみです。
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