平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

「最高の教師」最終回~色彩豊かな世界に変わっていく教室。取り残された犯人は死を決意する……

2023年09月24日 | 学園・青春ドラマ
 昨日、最終回を迎えた『最高の教師』。
 東風谷さーん!
 もう東風谷さんに会えなくなるのが哀しい……。
 あの抜群の透明感……!
 これで當真あみさんは引っ張りだこになるだろう。
 僕は『オールドルーキー』の頃からチェックしてたけどね。
『城塚翡翠』『どうする家康』で完全に認知した。
 って、これがドラマを見た感想かいっ!
 もっと他に語ることはないのかいっ!
 ………………………………………………

 というわけで今回の最後の犯人について考察してみよう。

 犯人の見ていた世界はモノトーンだった。
 すべてが退屈で、見ること聞くことすべてが無意味で心が躍ることがなかった。
 そんな犯人が自分と同じ景色を見ている人間を発見した。
 九条里奈先生(松岡茉優)だ。
 里奈は夫と離婚し、教師としても無力で、生きる意味を見失っていた。
 自分と同じ人間を見つけて、犯人はいっしょに死のうと思った。
 里奈を突き落して、その後、自分も死のうと思った。
 これが犯人の一周目の動機だ。

 では里奈・二周目の犯人の動機は何か?
 犯人が見た二周目の里奈には『色』がついていた。
 色がついた里奈は生徒と真っ正面から向き合い、生徒を変えていった。
 闘って、教室を『色彩豊かな世界』に変えていった。
 そんな里奈に犯人は『革命を起こすヒーロー』を見た。
 他の生徒が変わっていったように、里奈なら自分を変えてくれるのではないかと考えた。
 しかし里奈は自分を変えてくれなかった。
 それどころか自分の存在などないかのようだった。
 犯人は浜岡修吾(青木柚)や西野美月(茅島みずき)を使い、さまざまな形でラブコールを送った。
 しかし里奈は気づいてくれなかった。
 絶望した犯人は里奈と共に死のうと思った。
 里奈を突き落すことが犯人の最後のラブコールだった。
 これが二周目で突き落そうとした犯人の動機だ。
 …………………………………………………………………………

 犯人は「共感力」のない人間だった。
 D組の生徒たちは泣いたり叫んだりしているのに犯人は何も感じなかった。
 自分はこのままモノトーンの世界をずっと生かなくてはいけないのか……。
 絶望した犯人は死を考えた。
 里奈に自分の存在を認知してもらいたいと思い、突き落そうとした。

 こうしたモノトーンの景色を見ていた人物はもうひとりいる。
 一周目の鵜久森叶(芦田愛菜)だ。
 死ぬ直前の鵜久森叶の見ていた景色もモノトーンだった。

 世界との不調和。居心地悪さ。
 人は多かれ少なかれ、これを抱えて生きている。
 一歩間違うと世界はたちまちモノトーンになる。
 相楽(加藤清史郎)や西野美月らD組の生徒たちはモノトーンの世界に落ちることを怖れて、抗い、もがいた。
 結果、最終的に世界と和解した。
 世界は変えられると理解した。
 では犯人は……?
 犯人は真っ赤な太陽を見ることができた。
 里奈は「それで十分です」と語った。
 おそらく犯人は変わることができるだろう。

『最高の教師』が描いた人の心の深淵。
 自分の心の中を突き詰めて見ていくと、おそらく犯人と同じ風景が見えて来る。
 だが、それを見たくないので人は別のことに目を背ける。
 生き方としては「東風谷さん、かわいい!」と言っていた方が気楽でいい。
 自分や他者と真っ正面から向き合うのって大変なことなんですよね。


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