平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒 「ファントム・アサシン」~歪んだ大義と思い上がった正義は始末に負えませんねえ

2014年10月16日 | 推理・サスペンスドラマ
 犯人の動機は、7人がロシアに機密を漏洩していた売国奴であったから。
 現在の法律では立件できないから、代わりに自分が罰を下す。

 これに対して右京(水谷豊)さんは
「歪んだ大義と思い上がった正義は始末に負えませんねえ」

 犯人の動機と右京さんの言葉。
 今の時代、犯人の動機の方が共感を呼びそうだから怖い。
 つまり
・国のためには法律をないがしろにしてもいいという考え方。
・法治国家の否定。

 まあ、安倍さんも解釈で集団的自衛権を無理矢理認めて、法治国家であることを無視していますからね。
 今回のエピソードはこのことへの皮肉があるのかもしれません。

 皮肉と言えば、こんなことも。
 ロシアのスパイと恋愛関係にあった犯人が守った女性(←ネタバレになるので敢えて名前は書きません)。
 犯人は個人よりも国家を大切にしているのに、女性の<恋愛>という個人的事情を考慮した。
 犯人にしてみれば、彼女は国を裏切った許せない人間なのに、彼女を守った。

 国家なんてものは、個人の恋愛感情の前には吹き飛んでしまうものなのかもしれません。
 それは子供を思う母の気持ちも同じ。
 母親は国よりも子供の命を大切にする。
 お国のために自分の子供を死なせたくなくて必死に守る。
 そう言えば、『花子とアン』で仲間由紀恵さんが演じた蓮子はそういう女性でした。

 ミステリとしてはイマイチでした。
 右京さんが真相として話したことはすべて状況から類推したもの。
 決定的な証拠はない。
 シークレットペーパーを犯行現場で捨てるというのも不自然だし、消えた犯人というのも簡単に自作自演であることがわかる。

 作品として訴えたいこと(=テーマ)はわかりますが、相棒13、今後のクォリティが心配です。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 素敵な選TAXI~過去に戻... | トップ | 小渕優子経産大臣の政治資金... »

コメントを投稿

推理・サスペンスドラマ」カテゴリの最新記事