家族の何気ない日常を描いたドラマである。
生田斗真、小池栄子、安田顕、清原果耶、原田美枝子。
芸達者な役者さんによるせりふの応酬が楽しい!
ボケとツッコミ。
ひとつのボケに他の3人から一斉にツッコミ。
雄弁に語られるウンチク。
おかしなこだわり。
ボソッと漏れる本音。
さりげない心の交流。
やはり会話劇は楽しい!
全編を通して展開される物語は──
・ニートの満(みつる・生田斗真)の自分のやりたいこと探し。
ただし満は現在の境遇にまったく卑屈になっていない。
雄弁に語り、理論的に現在を肯定している←ここがミソ!
・春海( 清原果耶)の恋愛話と進学話。
・春海と義理の父・光司(安田顕)の距離~素直に「お父さん」と呼べない。
・昔、プロのベースのギタリストだった光司の音楽へのこだわり。
・きつい綾子(小池栄子)に対する満と光司の共闘。
・ニートの実を心配する母・房枝(原田美枝子)。
・房枝の恋愛話~ただし房枝にはまったくその気がない。
これらがシンコクにならずに、
縦糸、横糸として絶妙に編み込まれて楽しいホームドラマになっている。
上手い脚本だ。
5人の家族は日常の出来事を通して少しずつ距離を縮めていく。
満と春海は伯父と姪の関係である。
満と光司は義理の弟と兄で血のつながりはない。
春海と光司も、もとをただせばアカの他人だ。
そんな彼らかけがえのない存在になっていく。
その過程が心地いい。
………………………………………………………
さて主人公の満。
彼を少し深掘りしてみよう。
満は6年前にコーヒー店を起業して挫折。
それ以来、ニート生活を送っている。
とはいえ彼は、先程書いたように、少しも卑屈でない。
それどころか雄弁で、屁理屈のかたまりだ。
ひとつ間違うとイヤなやつになってしまうのだが、
そう視聴者に感じさせない所が、役者・生田斗真の上手い所。
でも実は、満は心の奥底で悩んでいるんですね。
6年前の挫折のせいで新しい一歩を踏み出せないでいる。
踏み出すのが怖いのだ。
コーヒー店にもこだわりがあって、新しい目標を見つけられずにいる。
満が雄弁で屁理屈のかたまりなのは、元々の資質もあるが、自分を守るため。
ハリネズミが背中にハリを立てるように、言葉でガードしている。
そんな満の背中を押したのは、
満と一時、恋仲になった実業家・三枝明日香(倉科カナ)の言葉。
明日香の言葉は短くてシンプルだった。
ただひと言。
「やれ」
たったこれだけの言葉が満の屁理屈を打ち砕いた。
そして家族の応援、思いが背中をさらに押して、満がともかくやってみようと思った。
考えてみると、今作の5人の家族は前に向かって少しずつ歩いている。
満に対してきつい綾子も夫と娘を変えてくれた満に感謝の言葉を述べた。
夫の光司のすべてを受け入れ、光司の好物のロールキャベツをつくった。
その歩みは遅々としたものだが、
この家族はこれからもバカ話をしながら前進していくのだろう。
※追記
さて、これから日テレ系の秋ドラマとして『コタツのない家』が始まる。
主演は小池栄子さん。
脚本は『俺の話は長い』を書いた金子茂樹さん。
『俺の話は長い』では、「コタツは世界平和をもたらす」「床暖房の家はつまらない」というせりふがあったが、これは期待だ。
『コタツのない家』は『俺の話は長い』の系統の話になるに違いない。
生田斗真、小池栄子、安田顕、清原果耶、原田美枝子。
芸達者な役者さんによるせりふの応酬が楽しい!
ボケとツッコミ。
ひとつのボケに他の3人から一斉にツッコミ。
雄弁に語られるウンチク。
おかしなこだわり。
ボソッと漏れる本音。
さりげない心の交流。
やはり会話劇は楽しい!
全編を通して展開される物語は──
・ニートの満(みつる・生田斗真)の自分のやりたいこと探し。
ただし満は現在の境遇にまったく卑屈になっていない。
雄弁に語り、理論的に現在を肯定している←ここがミソ!
・春海( 清原果耶)の恋愛話と進学話。
・春海と義理の父・光司(安田顕)の距離~素直に「お父さん」と呼べない。
・昔、プロのベースのギタリストだった光司の音楽へのこだわり。
・きつい綾子(小池栄子)に対する満と光司の共闘。
・ニートの実を心配する母・房枝(原田美枝子)。
・房枝の恋愛話~ただし房枝にはまったくその気がない。
これらがシンコクにならずに、
縦糸、横糸として絶妙に編み込まれて楽しいホームドラマになっている。
上手い脚本だ。
5人の家族は日常の出来事を通して少しずつ距離を縮めていく。
満と春海は伯父と姪の関係である。
満と光司は義理の弟と兄で血のつながりはない。
春海と光司も、もとをただせばアカの他人だ。
そんな彼らかけがえのない存在になっていく。
その過程が心地いい。
………………………………………………………
さて主人公の満。
彼を少し深掘りしてみよう。
満は6年前にコーヒー店を起業して挫折。
それ以来、ニート生活を送っている。
とはいえ彼は、先程書いたように、少しも卑屈でない。
それどころか雄弁で、屁理屈のかたまりだ。
ひとつ間違うとイヤなやつになってしまうのだが、
そう視聴者に感じさせない所が、役者・生田斗真の上手い所。
でも実は、満は心の奥底で悩んでいるんですね。
6年前の挫折のせいで新しい一歩を踏み出せないでいる。
踏み出すのが怖いのだ。
コーヒー店にもこだわりがあって、新しい目標を見つけられずにいる。
満が雄弁で屁理屈のかたまりなのは、元々の資質もあるが、自分を守るため。
ハリネズミが背中にハリを立てるように、言葉でガードしている。
そんな満の背中を押したのは、
満と一時、恋仲になった実業家・三枝明日香(倉科カナ)の言葉。
明日香の言葉は短くてシンプルだった。
ただひと言。
「やれ」
たったこれだけの言葉が満の屁理屈を打ち砕いた。
そして家族の応援、思いが背中をさらに押して、満がともかくやってみようと思った。
考えてみると、今作の5人の家族は前に向かって少しずつ歩いている。
満に対してきつい綾子も夫と娘を変えてくれた満に感謝の言葉を述べた。
夫の光司のすべてを受け入れ、光司の好物のロールキャベツをつくった。
その歩みは遅々としたものだが、
この家族はこれからもバカ話をしながら前進していくのだろう。
※追記
さて、これから日テレ系の秋ドラマとして『コタツのない家』が始まる。
主演は小池栄子さん。
脚本は『俺の話は長い』を書いた金子茂樹さん。
『俺の話は長い』では、「コタツは世界平和をもたらす」「床暖房の家はつまらない」というせりふがあったが、これは期待だ。
『コタツのない家』は『俺の話は長い』の系統の話になるに違いない。
ふと立ち寄ったら、コウジさんがレビューを書いていらして嬉しくなりました。
コウジさんの好みだと思って、強く推しましたが
気に入っていただけて安心しました。
屁理屈・満も気弱な義兄もバンバン言ってくる姉も面白かったですよね。
感想は、推しているときの言葉と重複しますので
割愛します。
「コタツの無い家」も是非、見ようと思います。
実は、うちは46年間、コタツがありません。
不衛生だし片付かないので、最初から取り入れませんでした。
私が、不精者なのが理由です。
いつもありがとうございます。
大変楽しく視聴しました。
紹介していただいてありがとうございます。
コタツ。
案外、場所を取るんですよね。
おっしゃるとおりコタツがあると片付けがしにくくなりますし。
僕はストレッチと運動のために先日片づけたのですが、今後寒くなったらまた置いてしまうかもしれません。笑