平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

月の輝く夜に

2007年10月03日 | 洋画
 月の光は人に恋をさせる。

 この作品は、半ば妥協で婚約をしたロレッタ(シェール)と婚約者の弟ロニー(ニコラス・ケイジ)が恋に落ちる物語。
 月の光に誘われて、ロレッタを取り巻く家族も恋に落ちる物語。

 作中こんな描写がある。
 ロレッタはロニーにオペラに誘われる。
 その前の晩、月の力でロニー(婚約者の弟)と寝てしまったロレッタは罪の意識で断るが、自分の中のロニーへの想いを否定できない。
 「自分はオペラを愛している。愛する人とオペラを観られれば、思い残すことはない。あなたのことは諦める」
 そうロニーに言われてOKを出すが、ロレッタはその後こんな行動をする。
 美容院に行く。洋服を買う。靴も買って。
 言い訳はオペラに行くのだから。
 しかし裏にあるのはロニーへの想い。
 見事な感情表現だ。

 同時にこんな効果も。
 この買い物をしてコンサートホールに着く頃にはロニーは見違えるほどきれいになる。
 まわりからも注目される。ロニーも最初誰だかわからない。
 まさにシンデレラ。
 生活と日常からの解放。
 観たオペラにも涙が出るほど感動して……。
 自分の人生もこんなに輝くんだと思えるようになる。
 うまい!

 さてこの物語はロレッタ以外にも愛や恋が描かれる。
 叔父夫婦はひさしぶりにベッドを共にする。(月の力?)
 ロレッタの父親は浮気。
 母親はそれを哀しみ失望し、レストランで席を共にすることにあった大学教授と一夜を共にしそうになる。
 彼らもまた生活や日常から非日常の世界に飛び立ったのだ。

 作中、こんなやりとりがある。
 夫の浮気を知ったロレッタの母親は大学教授に聞く。
 「男はなぜ女を追いかけるのか?」
 その答えは?
 ・本能
 ・死への恐怖
 ・アダムとイブのエピソードを引用して、「男は女とひとつになることで完全になれる」
 ・退屈な日常からロマンスの世界へ。
 母親の結論は「死への恐怖」の様だが、なかなか含蓄がある。

 その他にもこの作品は名セリフがいっぱい。
 まずロニーの口説き文句。彼は婚約してしまい迷うロレッタに言う。
 「君に妥協は似合わない。なぜ本当に愛する人を待たなかったのか?」
 「人は破滅を経験して自分の人生を守る方法を学ぶ。でも僕は愛する。愛することは僕の望み。地獄の業火に焼かれようと」
 大学教授の口説き文句はこう。
 「僕の部屋には別の人生がある」
 「女は魔物。月の光を浴びて自分の美しさに気づくんだ」

 最後はエンディングテーマの詞を。
 この作品の舞台はマンハッタンのイタリア人一家だが、詞もイタリアンテイスト。

 瞳にうつるのはピザのような月
 恋の魔力 ワインの人生
 鐘が鳴り響き 人生に乾杯!
 ときめくリズム はずむステップ

 恋はパスタ 心惹かれる
 雲の上でふたりでダンスを
 夢のような恋をしよう
 ナポリの街で恋に生きよう



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