平成エンタメ研究所

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鎌倉殿の13人 第13回「幼なじみの絆」~私は背中に尽くします。八重さんの後ろ姿が幸せそうなら私は満足です

2022年04月04日 | 大河ドラマ・時代劇
 不器用な義時(小栗旬)。
 八重(新垣結衣)のもとに来る時は、キノコや野菜を持って来るだけ。
 だから八重は「怖い」「つらい」。
 でも義時はすこしずつ思いを伝え始めた。
「私は好きなのです、八重さんの笑っている姿が」
「いつか八重さんがお帰りなさいと言ってほしい」

 そして今回のラスト。
「私のことを慕っていらっしゃるんでしょう?」
 と頼朝(大泉洋)との関係を聞かないことを八重が尋ねると、
「どちらでもよいのです。
 振り向いてほしいなどと言うのは大それたこと。
 背を向けてくれても構いません。
 その背中に私は尽くします。
 八重さんの後ろ姿が幸せそうなら私は満足です」

 義時が八重に誠を尽くした。
 今までの義時は言葉が足りなかった。
 こんなふうに言わなくては心が伝わらないこともある。
 八重にしてみれば、義時が距離を縮めて来ないことが「怖い」し「つらい」ことだった。
 だから八重は、今回の義時の誠を聞いて、
「お役目ご苦労様でございました。お帰りなさいませ」

 ラブストーリーですね。
 義時は女性とこういう接し方をするんですね。
 この点、頼朝や三浦義村(山本耕史)とは大違い。
 こんなことを言われたら、さすがの八重さんも惚れてしまうだろう。
 ……………………………

 誠は今回もうひとつあった。
 亀(江口のりこ)は政子(小池栄子)に言う。
「自分が鎌倉殿にふさわしいのか、よく考えなさい」
「御台所と呼ばれるのにふさわしい女になりなさい」
 亀はもはや頼朝に執着していないらしい。
 だから憎さ半分、皮肉を込めて御台所・政子に足りないものを指摘した。
 誠を尽くせば、人は心を開くんですね。
 この亀の言葉を聞いて政子はただうなずくばかり。
 どの書物を読めばいいか聞いたりもした。

 そして木曽義仲(青木崇高)。
 義仲は「平家を倒すこと」「頼って来た者を無下に放り出さないこと」が自分の「誠」だと言う。
 その言葉どおり、義仲は頼朝や武田信義(八嶋智人)のいる伊豆や東海道に進出するのではなく北陸を攻め、頼って来た源行家(杉本哲太)を渡さず、息子の義高を人質にした。
 さて、この「誠」はどんな結果をもたらすのか?


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2 コメント

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行間を読み込む (コウジ)
2022-04-05 08:40:26
TEPOさん

いつもありがとうございます。

紀行で「義時の妻・八重」と言っていたのですね。
聞き逃していました。
とすると、NHKとしては、八重が誰であるかを把握している。
とすると、wikiの検証のように、八重は「阿波の局」なのか?
制作の視点で見れば、新垣結衣さんをこのままフェイドアウトさせないでしょうから、やはり妻になるんでしょうね。

>「史実」の情報が欠落している
ここは作家としての腕の振るい所ですね。
行間をいかようにも読み込めて、オリジナルのドラマや人物像を作りあげられる。
義時が主人公の鎌倉時代の物語がどう料理されるのか、楽しみです。
返信する
いわゆる「史実」の間隙 (TEPO)
2022-04-04 23:37:47
義時は、一時ストーカー扱いまでされながら、最終的に不器用な誠意が通じて八重と心を通わすことができて、素直に「良かった」と思いました。
しかし私は「幼なじみ」として受け入れられただけかと思っていました。
番組後の「紀行」で八重を義時の「妻」と呼んでいたので慌ててWikiを調べ直しました。
先週、義時の妻たちの間に「八重」の名は無かった、と書いたものですので。
その結果、泰時の母「阿波局」について、

>生没年、出自など詳細は不詳。坂井孝一は「推論に推論を重ねることを承知の上で、いささか想像をめぐらしてみたい」「単なる推論、憶測と退けられるかもしれないが」「不明な点、論証できない点は少なくないが」と断った上で、源頼朝の最初の妻であった八重姫と同一人物ではないかとの仮説を提示している。

との記述を発見しました。

北条泰時は時政、義時に続く「第三代執権」、つまり義時の後継者ですが「庶長子」とされており、その母親「阿波局」については情報が欠落しているところに、本作の時代考証チームの坂井氏が大胆な仮説として八重を入れ込んで来た訳です。
歴史上名の知れた妻たちについては政略結婚の雰囲気が濃厚であるので、詳細不詳である「泰時の母」の方がむしろ「心の通った妻」であり、「ヒロイン」となるのは納得です。
ただし、今後なぜ「泰時の母=八重」が表に出なくなるのかが一工夫必要となることでしょう。

ただの「仇役」と思われていた亀さんの株は急上昇のようですね。
「漁師の妻」という殊更に低い地位をスタートラインに設定したのも、彼女が単に「したたか」であるばかりではなく、政子にこれだけのことが言えるだけの教養を身につけるためにどれほど努力をしたのかを示すためだったのですね。
他方、亀のこの言葉を素直に聞き入れた政子の態度も立派だったと思います。

本作は、いわゆる「史実」の情報が欠落しているところに、目一杯のドラマを詰め込んでくるところが見所かと思いました。
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