社長つれづれ日記

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退く

2008年01月13日 | 仕事
◆◆出処進退

 出処進退というのは、その時々で、その人の値打ちが現れてくるものです。出る時も、居る(処)時も、進む時も、退く時も、人のその瞬間を見ていれば、その人の哲学(何を大切にするか)を垣間見ることができます。

 以前、司馬遼太郎の小説「峠」を読んだときに、その主人公である河井継之助が言う言葉に「男は出処進退が大事である。そして、その中でも一番難しいのが退くと言うことである。・・・」とあったのを覚えています。もちろん小説ですので、本当に河井継之助が言ったかどうかは定かではありませんが(司馬遼太郎の人生観でもあると思います)、この言葉も出処進退における哲学を語ったものでした。

 「男は退き際が肝心」と言う言葉もよく耳にします。退き際を間違ったことで、その人がせっかく築き上げてき評価を一瞬のうちに壊してしまうということの戒めです。出処進退の「退く時」は大切ですね。


◆◆マルチコンテンツ

 今日は午後から会社に出かけましたが、何人かの社員さんは出社をしており、やり残した仕事や、来週からの仕事の準備にいろいろ取り組んでいるようでした。

 私のほうも、わが社のマルチコンテンツ部門を担当してもらっている柴田さんと打ち合わせを行い、今後のこの分野の可能性や、将来の事業構想について打ち合わせを行いました。ITコンサルコーディネート部門との関係も考え、会社全体としての方向性を出す必要もあります。そのことに関連したスタッフの充実についても考える必要があり、もう少し、構想をまとめるには時間がかかりそうです。コンサル部門の責任者である坂野専務との調整も必要で、来週は彼としっかり話し合う必要がありそうです。

 その後、社外の現場で働いている社員の東さんと合流し、現在の仕事状況と今後のことについて面談をしました。こうやって現場の話を聞くことは良いことです。わが社のいろいろなことが見えてきます。


◆◆死ぬときに

 夕方から友人の経営者と合流し、一緒に食事をしました。しばらくして、もう一人の友人経営者とも合流し、三人でいろいろ世間話やら、仕事の話やら、そして、人生哲学についてなど、話をしましたよ。結局、食事の後も話が進み、夜の12時までになってしまいました。

 「大野さん、無様な死に方はしないようにしてくださいね。死ぬときは、ああいう死に方がしたいと、若い人たちが大野さんの背中にあこがれるような、そんな死に方をしてくださいね」

 この二人の経営者は私より年下の経営者ですが、私にこんなことを言いましたよ。この言葉は、私の胸にぐっと来るものがありました。二人の経営者が私を慕ってくれての言葉と言うこともあるので、なんとなく嬉しい反面、私たちの世代の責任もしっかり感じましたよ。

 そういえば、松山の事件ですが、私の世代より少し若い世代の男が、昨日23歳の女性に無理やり交際を申し込み、それを受け入れられなかったと言うことで殺人を犯しました。全国ニュースにもなる事件でしたが、これはひどい事件ですね。

 23歳と言えば、私の娘や息子の世代です。この世代の人たちから見れば、この事件を通して私たちの世代をどのように見るのでしょうか。親父の背中、人生の先輩としての背中、生き様をしっかり後輩たちに見せてゆかねばならない責任を感じますね。

 出処進退の「退く時」、その最後の場面に向けて、人生を大切にしてゆきたいと思います。


今日の心の中のキーワード
 ついてくる世代に恥じないように