枇杷の花の匂いを感じた事がありますか。
とても甘やかで、心惹かれる匂いです。
その匂いは、枇杷の甘さに見合っていると思うのはぼくだけでしょうか。
完熟枇杷の甘さは、例えようもなくまるで砂糖のようです。
今ごろ、街を歩くと少し小高い場所に咲いているのが見える。
下で見上げるだけでは、匂いは伝わってこない。
頃合いの枇杷の木があったとしたら、それは僥倖である。
顔を近づけて、そっと匂いを感じてみるが良い。
おそらく病みつきになってしまう。
「枇杷の花甘さに似合ふ匂ひ哉」
この花たちが結実して、あの甘い枇杷に生まれ変わる。
そう思うと、堪らなく嬉しくなってしまう。
黄色い薄い皮をスッと剥く。
瑞々しい香りが際立ち、弾力があってしなやかな果肉が零れ落ちる。
枇杷を食べる。
至福の時間、である。
手はベトベトになるけれど、それが甘さの証明である。
まだまだ先なのに、もう食べた気分になってくる。
不思議な果実、である。
荒 野人
とても甘やかで、心惹かれる匂いです。
その匂いは、枇杷の甘さに見合っていると思うのはぼくだけでしょうか。
完熟枇杷の甘さは、例えようもなくまるで砂糖のようです。
今ごろ、街を歩くと少し小高い場所に咲いているのが見える。
下で見上げるだけでは、匂いは伝わってこない。
頃合いの枇杷の木があったとしたら、それは僥倖である。
顔を近づけて、そっと匂いを感じてみるが良い。
おそらく病みつきになってしまう。
「枇杷の花甘さに似合ふ匂ひ哉」
この花たちが結実して、あの甘い枇杷に生まれ変わる。
そう思うと、堪らなく嬉しくなってしまう。
黄色い薄い皮をスッと剥く。
瑞々しい香りが際立ち、弾力があってしなやかな果肉が零れ落ちる。
枇杷を食べる。
至福の時間、である。
手はベトベトになるけれど、それが甘さの証明である。
まだまだ先なのに、もう食べた気分になってくる。
不思議な果実、である。
荒 野人