エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

枇杷の花

2016年12月08日 | ポエム
枇杷の花の匂いを感じた事がありますか。
とても甘やかで、心惹かれる匂いです。

その匂いは、枇杷の甘さに見合っていると思うのはぼくだけでしょうか。
完熟枇杷の甘さは、例えようもなくまるで砂糖のようです。



今ごろ、街を歩くと少し小高い場所に咲いているのが見える。
下で見上げるだけでは、匂いは伝わってこない。



頃合いの枇杷の木があったとしたら、それは僥倖である。
顔を近づけて、そっと匂いを感じてみるが良い。

おそらく病みつきになってしまう。







「枇杷の花甘さに似合ふ匂ひ哉」







この花たちが結実して、あの甘い枇杷に生まれ変わる。
そう思うと、堪らなく嬉しくなってしまう。

黄色い薄い皮をスッと剥く。
瑞々しい香りが際立ち、弾力があってしなやかな果肉が零れ落ちる。



枇杷を食べる。
至福の時間、である。

手はベトベトになるけれど、それが甘さの証明である。
まだまだ先なのに、もう食べた気分になってくる。

不思議な果実、である。



     荒 野人


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