=118 ~木の因数分解~(家具工房つなぎブログ)

南房総でサクラの家具を作っています。ショールーム&カフェに遊びにおいでください。

歴戦の勇士

2018年08月29日 | 【志事】独立を選んでからの日々
歴戦の勇士

土台の刻みに入りました。ドリルなど使えるところは、例えばこんな熊さんのように?(笑)穴を掘り、あとは鋸や鑿で掘っていきます。

これらの作業のために、今回中古購入したのが「大工鑿」。
作業には適した道具があり、効率性や正確性に影響するからです。別に大工鑿というものがあるわけではありませんが、家具づくりに使う鑿よりも大きくて頑丈なものです。手持ちの鑿は大きくて一寸(約3センチ)だったので、それよりも大きい鑿をネットで探しました。別に新品はいらないので、何本かまとめたセット売りがあればいいなと思っていたのですが、いいものを見つけてしまいました!

幅の細い向町鑿は正直あまり出番はないかもしれませんが、広めの一寸、寸2、寸4、寸6は探していたものです。しかもネットの写真で見たときから状態がいいと思い購入したのですが、いざ届いてみると本当にいい!通常ジャンク扱いの部類ですと、埃と汚れまみれ、錆つきでしょうが、売主の方がしてくれたのか、その前の持ち主のおかげなのか、汚れとり、錆取りがしてあり、応急的ですが刃までつけてくれています。なによりよかったのが、刃裏がきれいで変な偏りがないこと。これは大きな決め手でした。

中でも素晴らしいのが寸6、長い年月頼れる相棒として使われてきた証でしょう、刃がこんなに短くなるまで研がれて、何万?回と叩かれた柄はどんどん短くなり現在の形状にたどり着いたのだと思います。まさしく歴戦の勇士。時の重みを感じます。

この鑿がどんな職人の手を渡りどれだけの仕事をこなしどれだけの時間を経てきたのでしょう。
一本の道具を眺めながらそんな思いを馳せるのも楽しいものです。
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