漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 374

2024-04-24 05:18:40 | 貫之集

くれぬとは おもふものから ふぢのはな さけるやどには はるぞひさしき

暮れぬとは 思ふものから 藤の花 咲ける宿には 春ぞ久しき

 

春はもう終わると思うのに、藤の花が咲いている家ではまだ長く続くように思えるよ。

 

 255 では春の終わりが近いことを教えてくれた藤の花ですが、こちらでは逆に春がまだ続いていることを感じさせてくれていますね。
 この歌は新古今和歌集(巻第二「春歌下」 第165番)に入集しています。