漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 188

2023-10-21 07:23:14 | 貫之集

延長四年九月、法皇の御六十賀、京極の御息所のつかうまつりたまふときの御屏風の歌、十一首

若菜

はるたたむ すなはちごとに きみがため ちとせつむべき わかななりけり

春立たむ すなはちごとに 君がため 千歳つむべき 若菜なりけり

 

延長四年(926年)九月、宇多法皇の六十歳の祝賀を京極の御息所が催した際の屏風歌、十一首

若菜

春になるたびすぐに、あなたさまの千歳を寿いで摘むことになっている若菜なのです。

 

 「京極の御息所」は藤原時平(ふじわら の ときひら)の娘褒子(ふじわら の ほうし/よしこ)のこと。第四句の「つむ」は年齢を重ねる意の「積む」と若菜を「摘む」との掛詞になっています。



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