神楽せるところ
あしひきの やまのさかきの ときはなる かげにさかゆる かみのきねかも
あしひきの 山の榊の 常盤なる 陰にさかゆる 神のきねかも
神楽をしているところ
常緑の山の榊の陰で、その榊のおかげですます栄えてゆく神に仕える巫女たちよ。
「あしひきの」は「山」にかかる枕詞。「陰」は木の陰と、「お陰で」の両義ですね。第五句の「きね」は神に仕える者の意です。
この歌は拾遺和歌集(巻第十「神楽歌」 第618番)にも入集しており、また 古今集1075 のよみ人知らずの歌を踏まえています。
しもやたび おけどかれせぬ さかきばの たちさかゆべき かみのきねかも
霜八たび 置けど枯れせぬ 榊葉の たち栄ゆべき 神のきねかも