ヒロタのシュークリーム
『記憶』
私が幼稚園へ入園する直前のとある日
「お母さん」と呼んでいたか「ママ」と呼んでいたかは覚えていないけど
大きな荷物を抱えた母親が玄関の引き戸(当時は引き戸が多かった)の前にいて
私と「ババちゃん」(祖母)は上がり框の上の取次にいて
私はまだ小さかったけど母親がもう帰って来ないことは
なんとなく気づいていて
でも気づかないフリをした方がいいことも
なんとなく気づいていて
祖母が
「行ってらっしゃい」(と言いなさい)と
私に目配せをしたから
咄嗟に私が言ったのは
『ヒロタのシュークリーム買ってきてな』で
母親は聞こえていないように
目を合わさずに下を見たまま
「んじゃあね」と出ていった
案の定帰ってくることは無かったけど
ヒロタのシュークリームは好き(笑)
たぶんこのあたりが
「いい子でいなくちゃならない」症候群の
(どんな症候群…(苦笑))
始まり始まり
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