先の投稿に書いた友人に、借金のことを相談するまでにかなり時間がかかりました。
彼女はとても堅実で真面目な人で、結婚するまでクレジットカードも持たない主義の人でした。
今でも浪費家の私と仲良くしてくれたとは信じられないくらいです。
私は自分と正反対の考え方や堅実な生活をしている友人を尊敬していました。
実は彼女に相談する前に、別の友人にお金を借りようとしたことがあります。2人はそれぞれ高校、大学時代の友人なので接点はありません。
借金を申し込んだ友人とは行動パターンが良く似ていて、社会人になってからも一緒に海外旅行に出かけていました。性格的なノリもとても合っていたと思います。
違うのは彼女はとても裕福でした。お家が裕福だっただけではなく、証券会社に勤めていたので彼女自身もお金は持っていたし、仕事柄株で儲けたという話を聞いていました。
海外旅行をするときは航空券の手配をよくお願いしていて、そのたびに費用を立て替えてもらっていました。私は借金のおかげですぐにお金を支払うことができなかったので、ついつい「ボーナスまで待ってもらっていい？」とお願いすることが多かったですが、いつも彼女は「いつでもいいよ！」とあっさりOKしてくれました。金額はいつも20万円前後だったにもかかわらず、何か月も支払いを待ってくれる彼女にすっかり甘えてしまっていました。
そんな甘えから、ある日突然彼女に
「実は借金があってもうどうしようもないところまできている」
「債務整理も考えているけど、ひとまず今月の支払いができそうにないから20万円ほど貸してほしい」
というお願いをしました。私としては、航空券建て替えと同じレベルで借りられると思っていたのに彼女の答えはノーでした。
私の借金のことをご主人に相談したら、「借金があるなんて嘘をついて、お金を巻き上げようとしているに違いないから付き合いをやめるように」と言われたそうです。
その時の私は自分が悪いのを棚に上げて、ご主人の言い分を信じた彼女に失望し、彼女とご主人に憎しみすら感じました。
嘘じゃない、本当に助けてほしいともう一度お願いしたけどやはりだめでした。
そして、その後彼女が私の借金のことを共通の友人数人に喋ったことを知り、私の方から連絡を絶ちました。
彼女づてに私の借金を知った友人たちは私から離れていきました。このことをきっかけに、私は4人の友人を失いました。一気に4人もの友達がいなくなったのはとても孤独でした。そんなにしょっちゅう会える距離にはいなかったので、受け取る年賀状が減ったのを実感した時がいちばん悲しかったです。
全部自分が蒔いた種なのに、当時は友達を恨むばかりでした。彼女さえ私を助けてくれていたらこんなに苦しい思いをしなくて済むのに！と逆恨みもいいとこです。
でも、自分に置き換えてみたら？
私だって同じことをすると思います。まずお金は絶対に貸せないし、借金がある友人を軽蔑の目で見るようになるはずです。こんな問題のある人間と仲良くしてたのかと失望すると思います。自分のことは全く棚に上げて。本当に私は身勝手な人間だと自分でもわかっています。
その後、1年くらい悩み続け、借金もますます増えた時点で限界になって司法書士の友人に相談しました。
そのとき、借金のお願いはしていないのに友人自ら10万円を貸すと申し出てくれた時は本当にその友人が神様か天使に見えました。
貸してくれるときに、「苦しいのに無理をして結婚式や出産のお祝いをしてくれてありがとう。そのお礼だから、返さなくていいから返済に使ってほしい。今の自分にはこれしか余裕がなくてごめん」と言ってくれました。
その場では泣かなかったけど、家に帰って嬉しいのと情けないのとで号泣したことは今でもよく覚えています。
友人には2年後、勤めていた会社を辞めた時の退職金で10万円を返済し、ちょっとリッチなランチをご馳走しました。
これ以上、信頼している人に失望されたくない。だから今は誰にも言わずに一人で返済を頑張っています。
