「この宣言は見張りの者たちの布告によるもの、この決定は聖なる者たちの命令によるものだ。それは、いと高き方が人間の国を支配し、これをみこころにかなう者に与え、また人間の中の最もへりくだった者をその上に立てることを、生ける者が知るためである。」(ダニエル4:17新改訳)
神はネブカドネツァル王を撃つ前に、夢で警告を与えられた。バビロン帝国はあまりにも強大になり、繁栄を誇ったため、王の心はおごり高ぶったのだが、あわれみ深い神はダニエルを通して刑罰の予告をするとともに、一年間の猶予期間を設けられたのである。▼しかし王は改めず、さばきは下り、ネブカデネザルは獣の心を持ち、完全に狂ってしまった。33節から、彼の哀れで悲惨な生活が想像できる。▼また最初の聖句に、「人間の中の最もへりくだった者」とあるが、これはイエス・キリストを指している。キリストこそ全き人、すなわちもっとも謙遜なお方として世に現れたお方である。だから主は万物の相続者、神の国の支配者として死者の中から最初に復活されたのであった。◆ここに「見張りの者たち」とあるが、地上の人間は神によって見張られている存在である。それは罪を犯させないためなのであろう。「人間の息は主のともしび。腹の底まで探り出す」(箴言20:27)とあるが、神はいつも人の心の底にある動機を見つめておられることを知りたい。また、あの大洪水前の時代、神は人の心をご覧になって心を痛められた、とある。「主は、地上に人の悪が増大し、その心に図ることがみな、いつも悪に傾くのをご覧になった。」(創世記6:5同)◆今日、地上に生きている75億人の心は、その動機に至るまで神の前で完全に明らかにされ、調べられていることは確かであろう。なんという厳粛な事実か。だから、おそれおののいて御前にひれ伏し、悔い改めの心をもって歩むべきである。