先日五月晴れの陽気に誘われて
叔父と共に我が家の山に登ることにした
其の山にはお稲荷さんの祠が祭ってある
が
何せ昔のはなし
山は荒れ放題
今は知る人も参る人も無いと思う
叔父もいつ参ったか
記憶も定かで無い
山をウロウロ彷徨うこと数時間
朽ち果てた祠に首の欠けた神狐が二つ並んでいた
その脇に懐かしい酒瓶が転がっていた
吉備誉
とうのむかしに廃業した酒蔵の一合瓶
爺がいっとき造っていた酒だ
錆びてはいるがまだしっかり打せんされ
濁ってはいるが
酒も残っているので
記念にと持ち帰ってきた
どんな味になっているか興味はあるが
30年以上昔に奉納された酒だ
勿論 飲むつもりは無い