モンテッソーリ子どもの家アイアイ

愛知県刈谷市モンテッソーリ教室です。
子どもたちの主体的な活動を大切にしています。
(since 2009)

公立幼稚園とモンテッソーリ園の違い

2011年02月15日 | モンテッソーリのこと

息子は、公立幼稚園に9か月通ったのち、
モンテッソーリ園に転園しました。
早生まれなので、4歳直前でした。
ギリギリだったのですが、
4歳前だということで受け入れていただきました。

まもなく卒園してから1年になりますし、
客観的に書くことができるかもしれないので、
私から見た幼稚園の違いを書いてみようと思います。
園の方針によって違いもあると思いますし、
公立の年中・年長は、わかりませんので、
参考程度にとどめてくださいね。

●モンテッソーリ園の大きな特徴●
 1.お仕事がある
 2.縦割りクラス

その他に、モンテッソーリ園に転園して感じたこと。

●スモック●
公立幼稚園では、かぶり式だったのですが、
モンテッソーリ園では、ボタンのついたスモックでした。
また、スモックは、公立幼稚園では遊び着でしたが、
モンテッソーリ園では、絵の具を使うときだけ着替えるものでした。
また、モンテッソーリ園では、体作りの時間が1日1回あり、
体操服に着替えました。
これは、毎日着替えるとき、ボタンのかけ外し、
衣服の着脱、衣服をたたむことなど、日常生活の練習が
できるようにとの配慮でした。
できないから簡単にするのではなく、
できるように教えるという考え方に基づいているからです。
 小学校の給食係のエプロンもゴムのついたかぶり式です。
 後ろでリボン結びをするのが大変なのかもしれませんが、
 家でのエプロンをヒモに変えないといけないかなと考え中です。

●環境●
園庭は、比較にならないくらい、
公立は広く、遊具もたくさんありました。

部屋の中の環境は、
公立の年少は、当初、はさみもおりがみもありません。
紙といえば、広告です。
はさみはあぶないし、おりがみもくしゃくしゃにするだけだからですよね。
当初は、風邪をひくといけないから、
大きい子が砂遊びで水を使っていても、年少さんは「ダメ」でした。
3歳になって初めて親元を離れる子が一斉に入ってくるのですから、
慣れるまで、仕方ないことだと思います。
給食は、2学期から一斉に箸でした。(まだ、できなくても箸しかありません。)

モンテッソーリ園では、2歳児から、はさみも箸も使いますし、
植物の水やり、のり貼りで使った水入れも洗ったりします。
絵の具と筆も使います。
おやつの時間のお茶も自分でそそぎ、
トレイにお皿とコップをのせて、テーブルまで運びます。
3歳児~6歳児までは同室で、3歳児の中には、
ぞうきんを洗ったり、干したりを一生懸命しているお子さんもいました。
針を使って、ぬいさしをしたりもします。
おもちゃの取り合いは、普通よく見られる光景だと思いますが、
お仕事の取り合いはありません。
他のお仕事をして待っているか、
やりたいお仕事をしている子を見て待っています。
2歳の子どもたちが「どうぞ」「ありがとう」「どういたしまして」の
やりとりをしています。
そういう子たちも、園を出れば、おもちゃの取り合いしていますから、
環境の影響は大きいと思います。

●あいさつ●
公立幼稚園の先生は、「お母さんの代わり」で、
3歳で初めてお母さんと離れるお子さんも
親しみやすいようにしてくださいます。
あいさつは、「おっはよー!」で、
先生に抱きついたりしていました。

モンテッソーリ園の先生は、「目上の方」で、
あいさつは、先生のお顔を見て、
「おはようございます」と言い、おじぎをして、
振り返って、お母さんに「行ってきます」と言って、
門に入っていきます。
他のお子さんたちは、2歳からプレクラスに来ているので、
慣れていましたが、息子は、途中からだったので、
照れるのかふざけてしまい、なかなかできませんでした。
年長さんになったころから、ちゃんとできるようになりました。
こういうあいさつも、早いうちからしていれば、
自然体でできるようになるんだなーと違いを感じました。

●先生の対応●
モンテッソーリ園では、朝の片付けや着替えなど、
子どもが自分でするまで、あせらせません。
時間がかかっても、待ちます。
じっと見て、待っているわけではありませんが、
それぞれの子どもに合わせています。
一斉に何かをする時間は、限られていたからだと思います。
息子は、かなーーーりマイペースだったので、
さすがに声をかけたりされていたようですが(苦笑)
それでも、息子にとっては、ありがたかったことです。
公立幼稚園では、よく「今日も、○○くんワールドに行ってました」
と言われていて、ぼーっと考え事をしていたりしていたようです。
モンテッソーリ園では、子ども同士も、じゃましたりしないので、
自分の時間やお仕事など、確保されていたと思います。

見学に行ったとき、印象的だったのが、
障害のお子さんが帽子をなかなかロッカーに片づけなくて、
先生が、そのお子さんの膝に乗せるのですが、
それを投げる、先生は、また膝に乗せる
というのを何度も何度も、本当に何度も繰り返していて、
最後には、お子さんが自分でロッカーに入れたのを見て、
先生が、にっこりほほ笑んだのです。

「よくできたねー」とも、何も言われませんでした。
ただ、ほほ笑んで、そのお子さんをお部屋に入るよう促しました。
「これが、モンテッソーリなのか」と感動した忘れられない出来事です。

すべての公立の先生というわけではありませんが、
面談などで、息子について話すときの違い。
公立「あきらめがはやい」「こわがり」「なかなかやらない」
  「家で練習させてください」など
モンテッソーリ園「頭がいいから先が読める」「慎重」「マイペース」
  「こちらでも見ていきますね」など
「この子はできない、私がやらせなかったから悪かった」と思っていたのですが、
モンテッソーリ園では、肯定的に話してくださったので、
親としては、とても気が楽になりました。
(モンテッソーリ園では、他のお母さんも同じようなことを言われたと言っていたので、
どんな子についても、そうだったのだと思います。)

モンテッソーリ園では、
お仕事中、どうしても注意しなければならない子がいるとき、
その子をその場では叱りません。
毎年1回の見学でしたが、そういう子もたまにはいました。
その子を廊下に連れて行って、静かにお話されていました。
納得するまで、時間をかけて話をされていました。
公立園では、先生に「こら!」と怖い顔をされて、
息子が「うぎゃーーー」と大泣きしたという話も聞いていましたが、
モンテ園で、先生が大きな声で「こらー」「だめー」ということは
聞いたことはありませんでした。

他に、モンテッソーリ園で印象に残っているのは、
息子が先生に何かを話そうとしているけど、
先生に、なかなか伝わらないというとき、
つい「~~ってことだと思いますけど」と私が横から口をはさんだら、
「○○くん(息子)と話してますから」と、にっこり笑って、
言われてしまったこともありました。
その子の言語発達を考えたら、親が横から代弁してはいけないのです。
「あの、あの、あの・・・」って一生懸命話している子どもの話を
ゆっくり聞いてくださいました。
私は、できているかな?とよく思い出しています。

●降園後の様子●
どちらの園も、園庭が1~2時間開放されるので、遊んでいきます。
人数の関係もあると思いますが、
モンテッソーリ園は、少人数ですし、普段から縦割りなので、
大きい子も小さい子も、自然に一緒に遊びます。
公立幼稚園のときは、大きい子が遊んでいるところに
息子が入りたがっても、入れてもらえなかったりしました。
公園に行ったとき、知らない子は入れてもらえないという状況と同じです。

お母さんたちの子どもへの対応の違いも感じました。
公立幼稚園のときより、かなりモンテッソーリ園のお母さんたちは、
おおらかというか、子どもたちがケンカしていても、かなり待っています。
よほどのことがないと、すぐに止めません。
転園して半年くらい経ってから、何人かのお母さんたちから
「○○くん(息子)、落ち着いたよねー。
お母さんも変わったよねー。よかったねー。
最初は、お母さん謝ってばかりで、心配してたんだよー。」と言われました。

そう言われれば・・・
転園したころはわからず、息子が何かすると、仲裁に入っていましたし、
よく私が息子の代わりに謝っていたようです。
息子にとっても、学びでしたが、
母親にとっても、子どもの見方の学びの場になっていました。

他に毎月1回、母親の会、父親の会(行けない場合は母)があり、
先生からの連絡事項の他に、お仕事の紹介があったり、
子どもの見方、援助の仕方などの話を先生がわかりやすく
説明してくださったりしました。

息子の登園拒否をきっかけに、転園を考えたのですが、
私にとって、モンテッソーリ園で、とても勉強になりましたし、
マイペースな息子が、幼児期をゆっくりと穏やかに
過ごせたことはよかったと思います。
幼稚園時代、近所の子どもと遊べないというデメリットもありましたが、
小学校に行き始めて、小学校の中で友達もできたようですから、
今となれば、一時的なものだったと思えます。

振り返って、書いてみましたが、かなり主観も入っていると思います。
「公立は、こうだ」「モンテッソーリ園は、こうだ」という意味ではなく、
環境の設定や先生やお母さんの対応などの参考にしていただければ、
うれしく思います。

【参考記事】
子どもから見るモンテッソーリ園の「自由」

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コメント (8)
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