道は遠かった。
上海での乗り継ぎ便が2時間も遅れ、西安のホテルに入ったのは午前3時を回っていた。前日の午前9時頃に家を出たから、都合18時間もかかったことになる。
しかし、それはそこにあった。
2,200年の時空を超えて姿を現した、秦の始皇帝兵馬俑である。
敵国が位置する東を向いて、8,000体を越える陶製の兵馬が整然と並んでいる様は、驚愕に値する。
種々、写真に収めたいのだが、土曜日ということもあって見物する人の波が押し寄せていて思うにまかせない。(大きな写真がこちらにあります)
これは、展示室の囲いの中に安置された兵士像。
何やらの兵器を膝打ちしている姿だという。
後ろに回ると、兵士の履いた靴の底にあるすべり止めまではっきりと刻まれているのに驚く。
出土した際撮影された像は、色鮮やかに彩色されていたという。
1974年の発見以来、発掘作業は継続されているというが、再現された陶像の数は1,000体ほど。展示場の片隅では、今も復元作業が続けられている。