平成30年度の雲南地域「水田農業の維持・発展プロジェクト(鳥獣対策プロジェクト)」の一環として、7月27日(金)、JAしまね雲南地区本部において「現場向け実践的鳥獣被害対策研修会」を開催しました。この研修会は鳥獣被害防止技術を現場へ普及していくために、日頃から農家と接することが多いJA営農指導員や農業普及員を対象に実施しました。
雲南事務所の鳥獣担当職員が講師となり、「現場での鳥獣対策~成功事例と失敗事例~」と「野生鳥獣(ジビエ)の利活用について」の説明を行いました。そして、雲南事務所と協力して様々な鳥獣被害対策に取り組んでいるJAしまね雲南地区本部の職員から、営農者が鳥獣被害に対して考えていることなど紹介して頂きました。また、JA雲南地区本部の圃場において、タヌキやアナグマ、カラス等による鳥獣被害を抑える実証実験を行っている様子を見学しました。
今回は、農業普及員や営農指導員やJA職員、市町の鳥獣害対策担当者など、17名の参加がありました。
鳥獣被害を受けないためのポイントは、加害される恐れのある動物に合わせた適切な対策を取ることです。被害に遭った場合は、加害鳥獣を特定することが重要です。鳥獣の痕跡があるものの、加害鳥獣が判別できない場合には、雲南事務所林業普及第二課へお気軽にお問合せください。
圃場では、黒いテグスを張ることでカラスの侵入を防ぐ方法とトリカルネットと電気柵を併用することでアナグマやタヌキ等の侵入を防ぐ方法を学びました。この方法を併用することで、3年間鳥獣による被害を防ぐことができているそうです。圃場に防除柵を実際に張って効果を確かめながら営農者に技術指導を行うというのは、営農者にとってとても心強い取り組みだろうなと感じました。
野生鳥獣による農林業被害は、捕獲だけでは被害を無くすことができません。農業普及部、JAといった方たちと協力しながら鳥獣害対策に取り組む必要があると感じました。