こちらは後編になります。
4コマ目は「作業道の規格と設計」です。投稿者が担当しました。
これまでの作業道の投稿でも述べましたが、経済性・環境保全などのあらゆる観点から、森林施業の中核となる作業道は規格を守って頑丈に作設することが重要になります。
本コマでは、基本的な作業道の規格を説明しつつ、より強固な作りにするための作設ポイントを紹介しました。
5コマ目は「機械化作業システムと労働生産性」です。
林業で使用される機械は高性能林業機械と呼ばれます。林業機械は施業の効率性を各段に上げて生産性の向上に大きく貢献してくれますが、ただ使うだけでは効率が下がり、その効果は十全に発揮されません。そのため、現場ではどのタイミングでどのような林業機械を何台登用するか、人員はどのように配置するか、などの作業システムをあらかじめ計画することが重要です。
本コマでは、実例を交えながら生産性を上げるための考え方や実践法を紹介しました。
6コマ目は「再造林の省力化と低密度植栽」です。
造林は次世代の収入を得るための重要な工程であり、主伐後の山を早期に再緑化するため、環境保全のうえでも欠かせないものです。しかしながら、造林は初期費用が高く、長期的にみると赤字になってしまうことが多いため、再造林が進んでいない現状にあります。そこで新たな方法として「低密度植栽」が提唱されています。この植栽方法は従来3000本植えるところを1000~2000本程度に抑えることで初期費用を抑える取り組みです。
本コマでは低密度植栽の詳細のほか、先進地の事例などを紹介しました。
最後の7コマ目は「非公共事業(間伐、路網)の費用対効果算出」です。
ビジネスにおいて、利益を出すためには費用対効果を分析することが重要です。林業も例外ではなく、要する費用と得られる利潤から費用便益を算出する必要があります。そのための分析シートが林野庁から公開されていますが、林業では勘案する要素が非常に多く、複雑な構造となっているため、理解して適切に運用することは困難を極めます。
本コマでは、事業体が適切に分析シートを活用できるように実演しながら費用対効果分析シートの使い方を紹介しました。
前編に続き、以上が研修会の内容となります。私自身学ぶことが多く、伝える側としても聞く側としても貴重な経験になりました!