元日の能登半島地震の被災地を天皇、皇后両陛下は2度見舞いに訪れている。3月22日は輪島市と珠洲市に、4月12日は穴水町と能登町を。このとき両陛下は避難所を訪れ、被害に苦しみ悲しむ人たちの声に耳を傾け、思いをじかに受け止めておられる様子をテレビ報道で拝見した。被災者にとって癒やしと慰め、そして励ましになったのではないだろうか。
皇后さまがきょう(9日)、61歳の誕生日を迎えられた。そのお気持ちを文書で感想を公表している。宮内庁公式サイトに「皇后陛下お誕生日に際してのご感想」として掲載されている。その冒頭で「道路の寸断によるアクセスの困難さや長く続く断水など、被災された方々が、冬の厳しい寒さの中でどれほど多くの困難と御苦労を抱えながら避難生活を送られていたか、想像するに余りあるものでした」と、2度の訪問での感想が述べられている。その能登について、「私自身、学生時代に友人との旅行で能登半島を訪れたことがあり、楽しく、大切な思い出の詰まった能登の地で、多くの人々がこのような大きな試練に直面していることに、心が締め付けられる思いが致しました」とつづられている。(※ 写真は、3月22日に天皇、皇后両陛下が多くの犠牲者が出た輪島・朝市通りを訪れ黙礼をされた=宮内庁公式サイト「被災地お見舞い」より)
震災後に奥能登を襲った9月の記録的な大雨について述べられている。「状況の少し落ち着いた3月から4月にかけて、お見舞いのために能登の被災地を訪れ、被災された方々が安心して生活できる日が一日でも早く訪れるよう、復興が一歩一歩進んでいくことを心から願いましたが、その復旧・復興への歩みを進める中、9月下旬に、今度は大雨による被害が発生したことにも心が痛みます」。被災者が追い打ちをかけられた状況に、皇后さまは「心が痛みます」と心境を明かされた。
今後の自然災害に向けて提案もされている。「来年の1月には、能登半島地震から1年、そして、阪神淡路大震災から30年の節目を迎えます。当時の被害の大きさを改めて思い起こし、犠牲となられた方々を追悼するとともに、被災された方々への支援や、今後の防災・減災について考え、備えていくことが大切なのではないかと思います」。今後の災害に向けた「防災」「減災」「備え」のキーワードは被災地を実際に訪れた両陛下の実感と想いではないだろうか。
⇒9日(月)夜・金沢の天気 くもり時々あめ
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