自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆金沢オリジナルな墓参り

2017年08月14日 | ⇒トピック往来
    毎年旧盆には能登の実家に墓参りをするが、今年の幹線道路「のと里山海道」は上下ともにとても混んでいた。そこで下道(国道249号、159号)に降りたが、ここも混んでいた。通常ならば1時間30分ほどの距離だが、ことしは3時間余りかかった。3連休に盆休みが合わさって5連休、帰省と観光の車両がどっと能登に繰り出したのだろう。

    この時節いつも思うことだが、同じ墓参りでも金沢と能登・加賀では参り方に違いがある。金沢の場合は、墓所にキリコをつり下げる棒か紐がかけてあり、墓参した人は箱型キリコあるいは札キリコをかける。キリコには宗派によって、例えば浄土真宗の墓地ならば「南無阿弥陀仏」、曹洞宗ならば「南無釈迦牟尼仏」と書いて、裏の「進上」には墓参した人の名前を記す。このキリコを献上しておくと、その墓の持ち家の人はキリコをチェックすれば誰が墓参に来たのか分かる仕組みになっている。

    これに対し能登・加賀では、キリコを持参する風習はないが、墓参りの後にその家を訪ねて仏壇にも合掌をする。直接顔を見せる能登・加賀と、名前をキリコに書き置きする加賀の違いがある。むしろ、キリコを持参する風習の金沢の方が独特のようだ。「墓参り キリコ」でネット検索をしても金沢関連の事例しか出てこないことを考えると、全国でも金沢ならでのは風習のようだ。

    ではなぜ金沢だけにとの疑問もわく。金沢での言い伝えでは、代々の加賀藩主の墓地に年寄衆や家老・若年寄らがキリコ(切籠)を献上したことが、年月を経て庶民にも広まったとする説がある。では、ほかの藩の大名にはそのような風習はなかったのだろうかとの疑問もわく。

    話を旧盆ののと里山海道に戻す。道路添いのパーキングエリアには売店がある。高松パーキングエリアで飲み物も買うために立ち寄った。ここで、「金沢オリジナル」の商品を見つけた。「金沢カレーコーラ」と「金箔七味」だ。コーラを飲んでみる。少々ソース風味が効いたコーラという感じだ。ご当地グルメの「金沢カレー」に寄り添うコンセンプトでつくられた飲み物だろう。金箔七味は七味唐辛子に純金箔が入ったもの。赤や黒の粉にキラキラと金が輝く。金箔は生産シェアは99%が金沢。金沢観光のちょっとした辛味の効いた土産だろう。念のために金箔は金沢ではうどんに入れたり、お酒に入っていたりと割と身近だ。(※写真=金沢の墓参りにはキリコが欠かせない。写真のキリコは板キリコ)

⇒14日(月)夜・金沢の天気   あめ

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