自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆冬の訪れは雷鳴と氷あられ  子どものSNS環境めぐり規制の動き

2024年11月29日 | ⇒ドキュメント回廊

  けさ雷鳴とともに叩きつけるような氷あられが降ってきた。屋根にあたる音がバシバシと強烈だった。しばらくして雨になった。氷あられが降ったのは午前6時すぎ、その後、午前9時40分ごろに自宅の庭に出ると、氷あられがところどころに残っていた=写真=。見ると、1㌢四方の大きさのものもある。午前6時に降ってきたのはそれより大粒だったろう。歩行者にけがはなかっただろうか、農家のハウスは大丈夫だったのか、などと考えてしまった。その後も金沢では雨が降り続き、いまも大雨警報が出されている。

  話は変わる。NHKニュース公式サイト(29日付)によると、オーストラリアの議会は、16歳未満の子どもがSNSを利用することを禁止する法案を可決した。アルバニージー首相は29日朝、記者会見を行い「今回の法律で親と子どもの会話が変わり、その変化はオーストラリアの子どもたちにとって害を少なくし、より良い結果をもたらすことになる」として、子どもと保護者のための法律だと述べた。この法律は、SNSの運営会社に16歳未満の子どもが利用できないような措置を講じることを義務づけるもので、違反した場合は最大で4950万オーストラリアドル、日本円でおよそ49億円の罰金が科される。保護者や子ども自身への罰則はない。

  オーストラリアでは近年、子どもたちがSNSにのめり込み、日常生活や心の健康に悪影響が出ることへの懸念が高まっているほか、悪質ないじめにあったり、性被害にあったりする事態が相次ぎ、保護者を中心に規制を求める声が高まっていた。

  オーストラリアだけでなく。フランスではSNSの運営会社に対して、保護者の同意がないかぎり、15歳未満の子どものアクセスを制限するよう義務づける法律が制定している。また、アメリカの一部の州でも、未成年のSNS利用を規制する法律を制定していて、ユタ州などでは未成年がSNSを利用する際には保護者の同意が必要となる(29日付・NHKニュース)。

  一方、イギリスBBC公式サイト日本語版(11月7日付)によると、オーストラリア最大の子供の権利擁護団体のひとつ、「オーストラリア子供の権利タスクフォース」は、この禁止措置を「あまりにも乱暴な手段」と批判している。同団体は10月に政府に公開書簡を送付。100人以上の学者と20の市民団体が署名したこの書簡はアルバニージー首相に対し、禁止措置に代えてSNSに「安全基準」を課すことを求めた。同団体はまた、国連の助言を引用し、オンライン空間を規制するための「国家政策」は、「子供たちがデジタル環境と関わることで利益を得る機会を提供し、その安全なアクセスを確保することを目的とすべきだ」と指摘した。

  政府が子どもたちのSNS環境そのものを規制するのか、あるいは規制せずにSNSに安全基準を課すことでアクセスを確保するのか。デジタル化が進む世界の情報環境にあって、争点として浮上している。

⇒29日(金)夜・金沢の天気     あめ


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