神に帰る生き方

せっかく生まれてきたのだから、心平安に生きていきたい!と思う。

神様の世界史17 悪魔と黒魔術

2022-07-01 19:38:22 | イスラム教
前回まで、「ジン」について書いてきました。

ジンとは、人間のように”自由意志”を持っている。
ジンの中には、強い者もいるし、弱い者もいる。
正しく導かれている者もいるし、そうでない者もいる。
そして、大抵のジンは、人間とは別世界の中で生きているが、
たまに人間にちょっかいを出したり、悪さをしたりするジンもいる。
そんなジンの中でも邪悪なジンを、悪魔と呼ぶ。
悪魔なジンは、人間に囁きかけ悪事をさせる。
ということでしたね。

こんにちは、ファーティマ松本です。


最も邪悪なジンは、人間に、ただ囁きかけるだけではありません。
囁きかけるなんて、そーんなの生易しい!と思っているかもしれません。
そんな生易しい方法ではなく、、
もっと確実に人間をコントロールしたいと思っているはずです。

そんな確実な方法とは、ズバリ黒魔術です。
ブラックマジックとか、またはホワイトマジックと呼ぶ人もいますが、
名前が違うだけで、根本はどれも同じ。
どれも邪悪なジンが、人間の願いを叶えてくれるというものです。

「あれ?」
「願いを叶えてくれる?」
「人間を屈服させたいんじゃなかったっけ?」
「願いが叶えはいいんじゃない?」

と思われたかもしれません。
確かにジンは、いろいろな願いを叶えてくれるようです。
誰かを有名にさせたり、金持ちにさせたり、権力を与えたり、なーんていうこともできるそうです。
しかし、彼らの得意技は何かというと、
どこかのご夫婦や、または仲のいい恋人同士の仲を割くこと、なーんですねえ。

「ぜひやってもらいたい!」
と思ってしまった読者さんは、、、いませんよねえ。
やめた方がいいですよ。
なぜなら、ただでそんなことをやってはくれませんから。
何しろ、
邪悪なジンにお願いを聞いてもらうには、
まずは人間サイドが、ジンの言うことを聞くことが必要だからです。

そうなんです。
ジン達に願いを叶えてもらいたかったら、まずはジンが命ずる事をしっかりと忠実に行う必要があります。
彼らが人間に命ずる事というのは、普通の良識を持っている人間にはかなりレベルが高く、なかなか行うのは難しいものばかり。
つまり、非常に邪悪で、忌わしい事ばかりなのです。

例えば、ものすごく不潔な場所に何日も留まるとか、
近親相姦をさせたりとか、
殺害をさせたりといったことです。
そのような行いをしっかりと行った後に、晴れてジンが人間の言うことを聞いてくれる、
という仕組みになっているそうです。
邪悪なジンとの契約のようなものですね。
これが黒魔術です。

この魔術をビジネスにしている人は、世界中に結構多くいます。
困っている人の悩みをジンに解決してもらって、その代価としてお金をもらうというパターン。
特定の国や地域で、結構有名なビジネス体系です。

しかし、一度でも邪悪なジンと交流を持ち、願いを聞いて貰えば、それは悪魔に魂を渡したと同じです。
ジンに願いを叶えてもらう代わりに、邪悪な行いをし続ける。
そんな先にあるのは、地獄だけです。
邪悪なジンの言うことを聞いて、ジンの思うような生き方をすることは、
まさしく悪魔を崇拝するということ!
悪魔崇拝などと言うと、陰謀論のような感じがしてしまうかもしれませんが、本当にあることなので要注意です。

それでは、悪魔崇拝につながるブラックマジック(黒魔術)の歴史を、少し見てみましょう。

黒魔術の歴史は古く、その起源は古代にまでさかのぼります。
場所は古代都市バビロン。
このバビロンという大都市に、天使が二人やってきたのが黒魔術の始まりです。
両天使の名前は、ハールートとマールートです。

天使というのは、自分の意志で行動を起こすことはありません。
ですから、その時も、天使達は神様に地上に行くようにと言われたのでしょう。
なぜ天使達は地上に遣わされたのでしょうか。
その目的は?

そうなんです。
天使は、人々に魔術を教えるためにやって来たのです。

「ちょっと、ちょっと、それってどういうことなの?」
「なんで神様は天使を遣わして、人間に魔術なんて教えようとしたの?」
と、誰だって思っちゃいますよね。

しかし、この話にはちゃんと続きがあります。

この天使達は、人間に魔術を教える前に、こんな事を言っていたそうです。
クルアーンの記述を見てみましょう。

『バビロンでは、ハールートとマールートの両天使が、授けられたものを教えた。
 だが両天使は、こう告げらた後でなければ、誰にも教えなかった。
 「私達は、試みである。これで不信心になってはならない。」
 彼らは、両天使から、夫と妻の間を引き離す術を学んだ。
 だが彼ら(悪魔たち)とて、アッラーの御許しがない限り、それで誰も害することはできなかった。
 しかし、人々は自分に害になる、益のないことを学んだ。
 この術を贖ったものは来世において、何の福分にもあずかれないことを知りながら。
 ああ、なんとつまらないもののために、彼らは魂を売ってしまったのか。
 彼らにそれが分かったならよかったのに。』 (2-103)

ダメだ、ダメだと言われれば、やりたくなってしまうのが人情かもしれませんが、
これは神様からの大きな大きなテストであったわけです。

テストと言っても、答えが完璧に分かっているテストです。
「そこにAと書いてはダメ。Bと書きなさい。」
といったように、全ての正解を教えてくれているテストでありました。
何しろ、天使達ははっきりと
「こんなことを習っちゃダメですよ。
神様が定めた道から外れることになりますよ
これを習ったりしたら、来世では天国へ行けませんよ。」
と、ちゃんと伝えてくれていたのですから。

しかし、神様からの決まりなんてくそくらえと言う人達にとっては、
そんな忠告なんて何の役にも立ちませんでした。
そのような人達は、神様からの決まりよりも、魔術というものを手に入れたい。
そして、この世を少しでも自分の好きなようにしてみたい、と思い
結局、天使から魔術を習いました。

このテストのおかげで、
神様のお言葉を信じ自分の欲望を抑えた者と、
神様の言葉などどうでもよく、自分の欲求に従った者がはっきりと区別されたのでした。

黒魔術の話は、来週に続きます。

今日もお付き合いいただきましてありがとうございました。
みなさまに神様からの祝福がたくさんありますように!

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