うりずん (光文社文庫) | |
吉田 修一,佐内 正史 | |
光文社 |
吉田修一 著 : うりずん
を、読みました。
天才吉田修一が、同じ歳の写真家佐内正史とコラボした一冊。
本の半分ほどまで、佐内正史が切り取った
日々のワンシーンが続き、
まるで写真集の様相を呈しています。
そして、写真が終わってようやく登場する小説は、
どれも大変短く、すべて5ページ足らずの、短い作品です。
テーマはスポーツなのだけど、汗や気力や根性がてんこ盛りではなく、
スポーツを見ている人、スポーツをしていた頃の自分、
レジャーでスポーツを楽しんでいる人、そんな人たちの
わずかな心の動きを描いた作品集です。
どれも素晴らしい作品で、鮮やか過ぎてめまいがする程でした。
たったの5ページ足らずの物語を、こんなにも輝かせるなんて、
やっぱり天才と思うんですよね。吉田修一。