科研費による調査の知見を一般向けにとりまとめたレポート集。社会福祉における脱施設化、地域社会へのコミュニティホームの展開過程、その各国における歴史と現状については、現地で資料を探索し当事者に聞き取り調査を行ってはじめてわかることも多く、その意味では貴重な本だと思う。卒論のネタ集めには最適だろう。
1999年末までにほぼすべての施設を解体し、各々の意思で地域で自分らしく暮らすための個人的援護が取り組まれているスウェーデン、精神医療改革から施設解体が始まり、コミュニティケア法の下、地域ケアを主としながら地域でのサポート体制の質量不足が課題となっているイギリス、伝統的な施設中心主義が今なお残り、一部地域で施設から地域の住まいへの漸進的移行(脱施設)が取り組まれているドイツ。これらの国々の現状と課題を分析し、未だに入所施設が増え続けている日本における施設解体、地域居住への道筋を考察する。
(「BOOK」データベースより)
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