
コンピュータ、産業ロボット等の導入による労働現場の省力化、途上国への工場移転、業務のアウトソーシング(外部委託)による雇用の消滅、保育、介護、販売職等のサービス労働の増加、労働組合の弱体化、またこれらによる勤労者の賃金低下、雇用の不安定化、大企業のCEOやヘッジファンドのマネージャー等への莫大な所得の集中、税の逆進性強化と社会保障水準の低下、以上の要因による中間層の減少は、需要のそれにつながり、経済は負のスパイラルに陥る。
ライシュだけでなく、最近読みなおしているどの論者も同様の指摘をしているが、大企業のCEOやヘッジファンドのマネージャー等への莫大な所得の集中、この一点を除けば、日本の経済社会の現状も同じようなものだ。
最低賃金の大幅な引き上げ、給付付き税額控除の導入と強化、所得税の累進性の強化、炭素税の導入等々、勤労者の生存権を守るための手立てが必要だ。
目次
イントロダクション 歴史は繰り返す?
第Ⅰ部 破たんした取引
第1章 エクルズの洞察
第2章 二つの恐慌の類似性
第3章 あるべき取引
第4章 富の集中が不況を招く
第5章 為政者が金融経済を怖がる理由
第6章 大繁栄時代――一九四七~七五年
第7章 歴史は繰り返す
第8章 消費し続けるアメリカ人――三つの対応メカニズム
第9章 対応メカニズムのない未来
第10章 中国がアメリカを救わない理由
第11章 もう普通には戻れない
第Ⅱ部 反動
第12章 二〇二〇年大統領選挙
第13章 経済を巡る政治――二〇一〇~二〇年
第14章 「前より減ること」に満足できない理由
第15章 損失の痛み
第16章 損失にのしかかる屈辱感
第17章 富が集中するように仕組まれたゲーム
第18章 怒りの政治
第Ⅲ部 まっとうな取引を取り戻せ
第19章 何をすべきか――中間層のための新しいニューディール政策
第20章 どうすればよいか
資本主義はもはや「富が集中するよう仕組みまれたゲーム」であり、その暴走によって格差はますます拡大し続ける。暴走の先にはどんな社会が待っているのか?『暴走する資本主義』の著者が提言する中間層のための新しいニューディール政策。
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