
かつての日本社会には、終身雇用の会社と強固で安定した家族という「見えない社会保障」があり、それは限りない経済成長と不可分のものだった。経済成長という前提が崩れ、「定常型社会」となりつつある今、再分配のシステムである「福祉」を根底から考え直す必要がある。本書は、「人生前半の社会保障」という新たなコンセプトとともに社会保障・教育改革の具体的道筋を示し、環境制約との調和、コミュニティの再生を含みこんだ、「持続可能な福祉社会」像をトータルかつ大胆に提示する。(「BOOK」データベース)
厚労官僚上がりの気鋭の学者が、構想は壮大にして、論述は緻密に、かつ骨太の論理をびしっととおして書き上げた力作。うんうんとうなずいて読みながらも、わたしのあたまんなかでは頼りない細い糸でしかつながっていなかった問題群につーっと補助線が引ける思いが随所にしたりと、たいへん勉強になった。昔からこの人の書いた本にははずれがない。ただ、熱が入りすぎて全体への目配りがおろそかになったのか、同じことをあちこちに書きすぎ。ともあれ、強く強くおすすめします。
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